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精神疾患を科学する 在宅医療で関わる精神疾患について②~知覚の障害をやさしく解説 ― 錯覚・幻覚・幻聴・幻視・体感幻覚

  • 1 日前
  • 読了時間: 4分
#精神症状#知覚の障害#錯覚#幻覚#幻聴#幻視#体感幻覚#統合失調症#在宅医療#さくら在宅クリニック
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錯覚

[さっかく]

よくみられるケース多くの精神疾患でみられる

間違えて知覚してしまう


「見間違いではない、本当に見えたんだ」

錯覚は、対象物があるものの、それを間違えて知覚することです。実際に対象物があることから正常な人の感覚で考えると、見間違いや聞き間違いに近い表現ができるかもしれません。ただし、本人に聞いても「見間違いではない、本当に見えたんだ」と言うこともあります。

患者さんが感じたことは患者さんのなかでは事実なので、無理に否定する必要はありません。

「(私はその場にいなかったのでわかりませんが)そう感じたのですね」と、受け止めることも大切です。

知覚の障害

幻覚

[げんかく]

よくみられるケース多くの精神疾患でみられる

何もないのに感じてしまう


幻でも患者さんにとっては本当のこと

幻覚は、何もないのに感じる感覚です。何もないところから声が聞こえてきたりするので、聞き間違いというより、空耳という感覚に近いでしょう。ただ、幻覚についても患者さんは「本当に聞こえたんだ」と言います。

「そう聞こえたのですね」と、まずは患者さん本人の話を聞くことが大切です。

幻覚には幻聴、幻視、幻臭、幻味など種類があります。幻臭や幻味は被毒妄想につながりやすいです。どの幻覚に対しても否定はせず、本人の訴えやつらさをまず聞いてあげてください。

幻聴幻視幻臭幻味体感幻覚思考化声

幻覚の1つ

幻聴

[げんちょう]

よくみられるケース統合失調症 ほか多くの精神疾患でみられる

何もないところから聞こえてくるのは


自分を罵倒する言葉ばかり

日常で出合うなかで一番多い幻覚が、この幻聴です。統合失調症に多いですが、解離性障害というストレスに関連する疾患でも認めます。何もないところから声や音が聞こえてきます。

患者さんの多くが困るのは、暴言・罵倒・悪口の幻聴です。

幻聴では、「死ね」「馬鹿」「ブス」「デブ」「みんなお前のことを嫌っているよ」などさまざまな悪口が聞こえてきます。「本当にそれでいいのか?失敗しないのか?」というような、行動を制限してくる声もあり、不安になって何もできなくなる人がいます。

幻聴は場所を変えても聞こえてきますし、大音量で音楽をかけたからといって消えるものでもありません。リアルな声が聞こえてくるのですから、気にせずにいられるものでもありません。

幻覚の1つ

幻視

[げんし]

よくみられるケースせん妄/レビー小体型認知症/器質性精神障害

幻覚の1つで


何もないのにリアルに幻が見える

実際のところは幻が見える精神疾患に出合うことはあまりありません。アルコール依存症の人がお酒をやめたときや、重症な入院患者さんにみられるせん妄、認知症の一種のレビー小体型認知症、ほかに頭部外傷や幻覚を惹起する覚せい剤などの薬物が原因としては多いです。統合失調症やうつ病では典型的には幻視はみえません。

患者さんの感覚としては、マンガと同様に何もないのにリアルに幻が見えています。

幻覚の1つ

体感幻覚

[たいかんげんかく]

よくみられるケース統合失調症

体に感じる幻覚


「包丁が背中に刺さっている」

体に感じる幻覚と表現すればわかりやすいでしょう。ある日、「包丁が背中に刺さっています」と言って患者さんが来ました。しかし、背中を見ても包丁は刺さっていません。これが体感幻覚です。

ほかに、「体に穴があいています」「脳が何者かに触られています」など多彩な症状を訴えます。本気で包丁が刺さっていると感じているので、否定のしようもありません。本人のつらさを受け止めてあげることが必要になってきます。

症状と対応を考えてみよう ―「知覚の障害」

ここからは、看護師国家試験の過去問を題材に、知覚の障害の理解を深めていきましょう。

どんな症状か考えてみよう

対応を考えてみよう
対応を考えてみよう
まとめ
まとめ
  • 錯覚は対象物があるのに間違えて知覚すること。本人には「本当に見えた」という確かな実感がある

  • 幻覚は何もないのに感じる感覚で、幻聴・幻視・幻臭・幻味・体感幻覚・思考化声などの種類がある

  • 幻聴は最も頻度の高い幻覚で、統合失調症や解離性障害でみられ、暴言・罵倒の内容が多く患者を苦しめる

  • 幻視はせん妄・レビー小体型認知症・器質性精神障害・薬物などが原因となりやすく、統合失調症やうつ病では典型的でない

  • 体感幻覚は「包丁が刺さっている」など体に感じる幻覚で、本人にとっては絶対的な実感がある

  • いずれの症状も無理に否定せず、「そう感じたのですね」と本人の体験として受け止める姿勢が信頼関係の基盤となる

  • 幻聴に苦しむ患者への声かけでは、内容を問い詰めるより「苦しそうですね、だいじょうぶですか」と気持ちに寄り添うことが適切とされる


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