精神疾患を科学する 在宅医療で関わる精神疾患について⑧~思考伝播(しこうでんぱ)自分の考えがまわりに伝わっていると感じる「目が合ってしまった。バカって言ったのが伝わった」――自分の本音が周囲に伝わってしまうと感じる思考伝播。実際の臨床エピソードを交えてやさしく解説します。
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思考の障害
作為思考の1つ
思考伝播
[しこうでんぱ]
よくみられるケース統合失調症
自分の考えがまわりに伝わっていると感じる
本音が隠せないことが恐怖となる状態
思考伝播は、自分の考えがまわりに伝わってしまい、見抜かれている感じがします。一昔前に、自分の思考が周囲に伝わってしまう病気を描いたマンガがありましたが、イメージとしては近いのかもしれません。
臨床エピソード:テレビ報道で起きたこと
ある日、患者さんが大慌てで、「どうしよう、先生助けて」と診察に来られました。その患者さんは、テレビでテロ事件についての報道番組を見て、次のように感じたとのことでした。

テレビの画面を見ているだけで「自分の心の中の言葉が伝わった」と感じてしまう――本人にとっては命の危険を感じるほどの恐怖です。この感覚を頭から否定せず、まずは安心できる環境を整えることを優先します。
本音が隠せないことの恐怖
ここまで極端ではなくても、人は本音と建て前を使い分けて日々生活しているものです。少し嫌なことがあったり、自分と違う意見があったとしても、嫌とは言わず笑って流すこともたくさんあります。

大切な視点:本人にとって本音が伝わってしまう感覚は、単なる「思い込み」ではなく強い恐怖を伴う体験です。叱責や説得ではなく、安心感を与える対応が求められます。
思考伝播:考えが伝わり見抜かれる本音と建て前の崩壊が恐怖の核
在宅診療の視点から
在宅の場面でも、テレビやラジオ、家族との会話の中で突然強い不安を訴えることがあります。背景に思考伝播のような症状がないか確認しながら、ご家族にも「思い込みではなく本人にとって現実の苦しみである」ことを伝えていくことが助けになります。
まとめ





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