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在宅酸素療法を科学する30~

  • 20 時間前
  • 読了時間: 3分
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)が合併することが知られている。この2つの疾患がオーバーラップするメカニズムとその予後について解説する。COPDにOSASを合併すると死亡リスクが7倍になるとの報告もあり、適切な治療介入が極めて重要である。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)が合併することが知られている。この2つの疾患がオーバーラップするメカニズムとその予後について解説する。COPDにOSASを合併すると死亡リスクが7倍になるとの報告もあり、適切な治療介入が極めて重要である。

1睡眠と呼吸の関係

呼吸調節は、化学受容器や肺の受容器からの情報が中枢調節器に入力され、呼吸筋へ指令が送られて換気が実行されるフィードバック機構で成り立っている。

睡眠が呼吸に与える悪影響
睡眠が呼吸に与える悪影響

睡眠はこれらの反応を全般的に低下させる。以下の複合的メカニズムにより換気量が低下し、低酸素血症・高二酸化炭素血症を引き起こす。

中枢・神経系への影響

  • 中枢への入力の低下

  • 化学受容体の感受性低下

  • 呼吸筋の運動神経低下

気道・肺メカニクスへの影響

  • 呼吸筋の収縮力低下

  • 上気道抵抗の上昇

  • 機能的残気量の低下

  • 換気血流比の不均衡

これらの変化はnon-REM睡眠よりも、抗重力筋が完全に弛緩するREM睡眠期でさらに強くなる。健常者では生理的変動の範囲内だが、心肺機能に異常がある場合には正常範囲を逸脱する。

 

2COPD患者の睡眠時呼吸障害

COPD患者では、睡眠により低酸素血症・高二酸化炭素血症を伴いやすくなることが指摘されている。日中に低酸素血症がみられる患者では、睡眠中の低酸素血症をきたしやすく、またその程度は日中の活動時より睡眠中に重度であることが報告されている。

COPD患者の睡眠ポリグラフ(PSG)所見
COPD患者の睡眠ポリグラフ(PSG)所見

項目

COPD患者(16名)

成人正常値

睡眠期間(入眠〜最終覚醒)

316分

参考値

総睡眠時間(中途覚醒除く)

208分

REM睡眠

13%

約20%

non-REM睡眠

52%

中途覚醒

35%

3COPDとOSASのオーバーラップ

疫学調査では、一般人口に比してCOPD患者でOSASを合併しやすく、COPD患者の50%に合併するという報告もある。

COPDがOSASを促進する因子 vs 保護する因子

⬆ OSAS悪化促進因子

  • 臥位での上気道周囲への体液移動

  • 喫煙による粘膜の炎症

  • ステロイド薬の使用

  • 肺性心による体液貯留

⬇ OSAS軽減・保護因子

  • 低BMI(体容量指数の減少)

  • REM睡眠の減少

  • テオフィリン製剤の使用

オーバーラップの予後:CPAP治療の重要性

死亡相対リスク

急性増悪相対リスク

COPD単独(OSASなし)

基準(1.0)

基準(1.0)

オーバーラップ(CPAP治療あり)

差なし

差なし

オーバーラップ(CPAP治療なし)

1.79倍↑

1.70倍↑

CPAP治療を受けていないオーバーラップ群では死亡・急性増悪リスクともに有意に上昇(p<0.001)。

4全身性炎症の分子メカニズム
4全身性炎症の分子メカニズム

COPDとOSASは両者ともに低酸素血症による酸化ストレスの充進や、炎症性サイトカイン・炎症性メディエーター(TNF-α、IL-8、IL-6、CRPなど)の産生が充進しており、これがオーバーラップの病態に特に関連している。

臨床上の重要ポイント
臨床上の重要ポイント
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