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在宅酸素療法を科学する18~

  • 4月23日
  • 読了時間: 4分
在宅酸素療法(HOT:Home Oxygen Therapy)では、酸素供給装置から患者さんに酸素を届けるための「供給デバイス」が必要です。鼻カニューレ・マスクをはじめ、さまざまな種類があります。本記事では、各デバイスの特徴・利点・欠点をわかりやすく解説します。
在宅酸素療法(HOT:Home Oxygen Therapy)では、酸素供給装置から患者さんに酸素を届けるための「供給デバイス」が必要です。鼻カニューレ・マスクをはじめ、さまざまな種類があります。本記事では、各デバイスの特徴・利点・欠点をわかりやすく解説します。

① 鼻カニューレ(ナザルカニューレ)

鼻カニューレ(nasal cannula)は、外鼻孔に装着する最も標準的なデバイスです。抗アレルギー性素材(主にポリ塩化ビニル)製で、使い捨てタイプが一般的です。耳にかけてチューブを固定し、手軽に装着できます。

眼鏡型酸素カニューレ
眼鏡型酸素カニューレ

眼鏡のフレームに組み込まれたカニューレで、片方の鼻孔のみに供給するものと両方の鼻孔に供給できるものの2種類があります。外観を気にする患者さんに好評で、度入りレンズへの交換も可能です。

② リザーバー付き鼻カニューレ(オキシマイザー®)

リザーバー付きカニューレは、鼻孔の手前にリザーバー(酸素を溜めるバッグ)が設けられており、吸気の陰圧に反応して多くの酸素を一度に吸入できる仕組みです。鼻孔すぐ手前のタイプと、胸にペンダントのように設置する「ペンダント型」の2タイプがあります。

重症COPD患者さんを対象とした研究では、オキシマイザー®の使用によって運動耐久時間が有意に延長し(858±754秒 vs 766±652秒)、運動後の動脈血酸素分圧も有意に高値であったことが報告されています。

オキシマイザー®F-224(Fluidic Oxymizer®)
オキシマイザー®F-224(Fluidic Oxymizer®)

新型のリザーバー式鼻カニューレで、標準カニューレと比較して酸素量を最大75%節約できます。さらに入浴やシャワー時にも耐えられるようになっており、15L/分の高流量においても通常のカニューレで20L/分を投与しているときと同等のFiO₂が期待できます。

③ ハイフロー・ネーザルカニューレ療法

加湿器を用いることで加温・高加湿の酸素を含む吸入気を高流量(30〜60L/分)で鼻腔からでも快適に供給できるシステムです。集中治療室やCOPD急性増悪、冠動脈バイパス術後、慢性心不全、気管挿管の抜管直後などでの有用性が示されています。

④ 各種マスクの特徴
④ 各種マスクの特徴

シンプルマスク

フェイスマスク(simple mask)

古くから広く使われているマスク。口呼吸でも酸素供給が可能。5L/分以上での使用が推奨。FiO₂最高50〜60%程度。

オープンタイプ

オープンフェースマスク

マスク両側が大きく開いており再呼吸が起こらない。1L/分と少量でも酸素投与が可能。炭酸ガス貯留のリスクが低い。

リザーバー付き

リザーバー付きマスク

通常6L/分以上で使用。FiO₂は40〜90%まで期待できる。呼吸困難で換気量が増えると高い濃度の維持は困難。

ハイフロー

ベンチュリーマスク

ベンチュリー効果を利用し一定の酸素濃度を安定供給できる。FiO₂が一定のためCOPD急性増悪時に有用。炭酸ガス貯留リスクが低い。


ベンチュリーマスクのダイリューター色と酸素濃度

⑤ 経気管カテーテル・気管切開マスク
⑤ 経気管カテーテル・気管切開マスク

低酸素血症で酸素療法が必要な場合に輪状甲状膜を穿刺する形で留置するデバイスです。酸素流量の節約、鼻や顔の皮膚損傷がないこと、運動時の酸素飽和度を維持できることが利点です。一方で、挿入部の皮膚ケアや痰によるカテーテルの閉塞、気管損傷のリスクもあります。

気管切開マスクは気管切開患者に対して使用できるマスクで、酸素チューブを接続して流量を調整するか、蛇管を接続してベンチュリーのダイリューターで濃度を調整して用います。

各デバイスで供給できるFiO₂の範囲(まとめ)

在宅酸素療法における供給デバイスの選択は、患者さんの疾患・酸素必要量・生活スタイルなどを総合的に考慮して行います。さくら在宅クリニックでは、患者さん一人ひとりの状態に合わせた最適なデバイスをご提案しています。🌸 在宅酸素療法のご相談はさくら在宅クリニックへ

逗子市を中心に、在宅医療・訪問診療を行っております。呼吸器疾患・在宅酸素療法に関するご相談はお気軽にお問い合わせください。

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