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リウマチを科学する26 大腿骨頭壊死・精神症状・その他 「痛い」「眠れない」の訴えを、副作用として拾う

4 分前
読了時間: 3分

大腿骨頭壊死・精神症状・その他「痛い」「眠れない」の訴えを、副作用として拾う

骨・その他の副作用の後半です。ここで取り上げるものには共通点があります。患者さんの訴えが最初の手がかりになるということ。股関節が痛い、眠れない、見えにくい——こうした言葉を副作用として拾えるかどうかで、その後の経過が変わります。

#ステロイド#副作用#大腿骨頭壊死#股関節痛#ステロイド精神病#せん妄#不眠・焦燥感#白内障#緑内障#消化性潰瘍#NSAIDs#PPI

1|大腿骨頭壊死——股関節の痛みを軽く見ない

大腿骨頭壊死は、大腿骨の骨頭部が血流の低下により壊死してしまう状態です。骨頭部が壊死を起こして潰れることにより、歩けなくなるほどの強い痛みを引き起こし、QOLに甚大な影響を与えます。

2|精神症状——数日のうちに現れる
2|精神症状——数日のうちに現れる

高用量ステロイドやパルス療法の際に、さまざまな精神症状を生じることがあり、ステロイド精神病(ステロイドサイコーシス)またはステロイド誘発性精神障害と呼ばれます。

ステロイド治療を開始して数日で、躁状態や幻覚妄想、せん妄などの症状が出現します。高齢者ではしばしばせん妄を発症し、入院管理や医療安全上の問題になります。

特定の精神病の診断までは至らなくても、不眠や焦燥感はしばしば見られる副作用です。「なんだか落ち着かない」「夜眠れない」という訴えは、性格や環境のせいではなく、薬の影響かもしれません。
特定の精神病の診断までは至らなくても、不眠や焦燥感はしばしば見られる副作用です。「なんだか落ち着かない」「夜眠れない」という訴えは、性格や環境のせいではなく、薬の影響かもしれません。

悩ましいところ

精神症状がみられた場合は、早めに精神科への相談をお勧めします。根本的な対応策はステロイドの減量ですが、治療に必要な薬ですので、実際には大変悩ましい状況になります。原疾患のコントロールと精神症状のバランスを、科をまたいで一緒に考えることになります。

在宅・介護の現場で

せん妄は、環境の調整で軽くできる部分があります。昼間の光と活動、夜間の静かな環境、時計やカレンダーを見える位置に置くこと、なじみのある物を身近に——ご家族やヘルパー、訪問看護と共有しておきたい工夫です。あわせて、睡眠薬を自己判断で足さないことも大切です(せん妄を悪化させることがあります)。

3|白内障・緑内障——眼科と組んでおく

ステロイド投与により、白内障や緑内障の発症や悪化を生じることがあります。とくに緑内障の既往がある方や、すでに視力低下がある方は注意を要しますので、眼科にコンサルトを行いましょう。

視覚の低下は、転倒のリスクを押し上げます。前回取り上げた骨粗鬆症と組み合わさると、骨折の危険はさらに高まります。「骨」と「目」はセットで考える——在宅療養の場面では、とくに意識しておきたい視点です。

4|消化性潰瘍——「ステロイド潰瘍」の常識は変わった

かつては「ステロイド潰瘍」などと呼ばれ、ステロイドの代表的な副作用と考えられていました。しかし現在では、ステロイド単独では消化性潰瘍のリスクは上がらないと考えられています。

5|骨・その他の副作用のまとめ
5|骨・その他の副作用のまとめ

拾うべき訴えと、次の一手



拾うべき訴えと、次の一手

副作用

おさえておくこと

骨粗鬆症

65歳以上・既存骨折・PSL 7.5mg以上・骨密度低下のどれかひとつでもあればビスホスホネート内服(顎骨壊死対策のため、事前に歯科紹介を)。

大腿骨頭壊死

ステロイド治療中に股関節痛を訴えたら要注意。MRIが早期診断に有用で、疑ったら整形外科へ。

精神症状

開始から数日で出現しうる。早めに精神科にコンサルトする。不眠・焦燥感も副作用として拾う。

白内障・緑内障

既往や視力低下がある場合は眼科へ。視覚の低下は転倒・骨折のリスクにもつながる。

消化性潰瘍

ステロイド単独ではリスクは上がらない。NSAIDs併用時はPPIの予防投与を行う。


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