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リウマチを科学する23 代謝・内分泌系の副作用朝の血糖値が正常でも、安心はできません

22 時間前
読了時間: 4分

代謝・内分泌系の副作用朝の血糖値が正常でも、安心はできません

ステロイドはもともと血糖値を上げるホルモンですから、糖尿病は避けて通れない副作用です。しかも上がり方に特徴があり、朝の採血だけでは見逃されてしまいます。今回は、ステロイド糖尿病の起こり方と血糖の測り方、そして脂質異常症・肥満・クッシング徴候までをまとめます。

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1|なぜ血糖値が上がるのか

ステロイドは、もともと血糖値を上昇させるホルモンです。糖質コルチコイド作用により、肝臓では糖新生が促進され、脂肪組織や筋肉ではブドウ糖の取り込みが抑制されます。その結果インスリン抵抗性が引き起こされ、血糖値が上がって糖尿病を発症します。

2つの経路から、血糖が上がる方向に押し出されます
2つの経路から、血糖が上がる方向に押し出されます
また、ステロイドの投与量が多いほどステロイド糖尿病を発症しやすく、血糖値も大幅に上昇します。とくにパルス療法では超大量のステロイドを使いますから、血糖コントロールを怠ると、とんでもない高血糖を招くこともあります。
また、ステロイドの投与量が多いほどステロイド糖尿病を発症しやすく、血糖値も大幅に上昇します。とくにパルス療法では超大量のステロイドを使いますから、血糖コントロールを怠ると、とんでもない高血糖を招くこともあります。

2|朝は正常、夕方に高い——だから測り方が大事

ステロイドを内服すると、数時間後から血糖値が上がってきます。朝に内服すると、血糖値は午後から夕方にかけて上昇します。つまり、朝の血糖値が正常でも、夕方には高血糖になっている可能性があるということです。

治療開始後の血糖測定
治療開始後の血糖測定

簡易血糖測定器を用いて1日4回(朝食前・昼食前・夕食前・就寝前)の測定が基本です。頻回の測定が難しい場合でも、せめて夕食前の血糖値は測定することをお勧めします。在宅では、ご家族や訪問看護と測定のタイミングを共有しておくと続けやすくなります。

3|血糖が上がったときの対応

血糖上昇の程度と治療の考え方



血糖上昇の程度と治療の考え方

程度

対応

軽度の血糖上昇

経口血糖降下薬でコントロールが可能。安全性の観点から、低血糖リスクの低いメトホルミンやDPP-4阻害薬が使いやすい薬剤です。

併存疾患がある場合

慢性腎臓病・心不全・心血管疾患があるときはSGLT2阻害薬も積極的に考慮されます。ただし尿路感染症のリスクには注意が必要です。

重度の血糖上昇

インスリン治療を行う必要があります。具体的な方法は糖尿病の成書をご参照ください。

※ 薬剤の選択は腎機能・心機能・年齢・併用薬などにより異なります。用量は記載していません。

4|脂質異常症と肥満

ステロイドの内服は脂質代謝にも影響し、脂質異常症を発症することがあります。治療中は定期的に中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロールを測定しましょう。

また、ステロイドの作用で食欲が亢進します。「食べても食べてもお腹が空くんです」という切ない訴えもしばしば耳にします。つい食べ過ぎてしまうため、糖尿病や脂質異常症だけでなく肥満にも注意が必要です。管理栄養士による栄養指導を受けていただくのも良い方法です。

長期的には動脈硬化に行き着いてしまう

糖尿病・脂質異常症・肥満は、いずれも動脈硬化の進行を助長します。さらに鉱質コルチコイド作用によって高血圧が生じることもあります。ステロイドの長期使用で心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患のリスクが高まりますから、これら一つひとつに適切に対処することが重要になります。

5|クッシング徴候——見た目の変化という負担

長期にわたるステロイド投与により、顔が丸くなったり(満月様顔貌・ムーンフェイス)、皮膚が薄くなってあざができやすくなったり(皮膚の菲薄化)といった外見の変化が生じます。体内のステロイドが過剰になることで生じるクッシング徴候と呼ばれる現象です。

これは見た目の変化ですので、患者さんによっては大きな問題・ストレスになります。残念ながら即効性のある対処法はないのですが、伝えておきたい大事なことがあります。

多くは可逆性です

クッシング徴候の多くはステロイドの量が十分に減れば症状は改善します。「ずっとこのままではない」と知っているだけでも、治療を続ける気持ちの支えになります。外見の変化がつらいときは我慢せず、主治医にその気持ちを伝えてください。減量のペースを一緒に考える材料になります。

6|今回のまとめ

代謝・内分泌系の副作用のポイント

・糖尿病:ステロイド開始前にHbA1cでスクリーニング。開始後は血糖のモニタリングを忘れずに(とくに夕食前)。・脂質異常症・肥満:脂質を定期的に測定し、食欲亢進による体重増加にも注意する。・ムーンフェイス:見た目の変化はつらいが、ステロイドの減量で改善する。

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