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リウマチを科学する10 肩関節の診かた

11 分前
読了時間: 3分

〜肩の痛みをどう診るか

2022年の国内調査では、肩こりは腰痛に次いで多い症状でした。肩の痛みは日常でとてもありふれた訴えです。だからこそ、痛みの「出どころ」を丁寧に見きわめる診察が大切になります。

 

肩関節腱板滑液包視診・可動域・触診インピンジメント徴候NeerテストHawkinsテストpainful arc sign

まず「肩の構造」を知る

肩関節とは、狭い意味では肩甲上腕関節を指します。肩甲骨と上腕骨のあいだの関節で、体の中でもとくによく動く関節です。よく動く分、簡単に外れて脱臼しないように、丈夫な仕組みで支えられています。

腱板とは、関節を包みこむ4つの筋肉の腱のことです。この4つが「たが」のように関節を締め、脱臼を防いでいます。
腱板とは、関節を包みこむ4つの筋肉の腱のことです。この4つが「たが」のように関節を締め、脱臼を防いでいます。

棘上筋棘下筋小円筋肩甲下筋

さらにその外側を、分厚い三角筋が覆います。腱や骨のあいだの摩擦を減らすために、滑液包という袋状のクッションも備わっています。

1視診— 見た目でわかることは少ない
1視診— 見た目でわかることは少ない

肩関節は分厚い三角筋と丈夫な腱板に覆われ、関節そのものは奥深くにあります。ですので、関節炎が起きていても、見た目ではっきり腫れてわかることはめったにありません。「腫れていない=異常なし」ではない、という前提で次のステップに進みます。

2可動域— 屈曲と外転をみる

肩はいろいろな方向に動きますが、診察でとくに重要なのは屈曲(前に上げる)と外転(横から上げる)の2つです。

外転させていくとき、痛みの「出る角度」に注目します。
外転させていくとき、痛みの「出る角度」に注目します。
3触診— 圧痛をみる
3触診— 圧痛をみる

肩関節は奥深くにあるため、触診でピンポイントに腫脹や圧痛をとらえるのは難しいものです。肩関節に炎症が起きると、一点ではなく肩まわり全体に圧痛がみられるようになります。他動的に肩を外転させたときに痛みが誘発されれば「圧痛あり」と評価する方法もあります。

4インピンジメント徴候の評価

腱板を構成する筋肉のひとつ棘上筋は、途中で骨(肩甲骨・上腕骨)と靭帯(烏口肩峰靭帯)の狭いすき間を通り抜けています。ここには肩峰下滑液包があり、棘上筋がスムーズに動けるようになっています。

肩峰下滑液包が炎症を起こすと、棘上筋や骨・靭帯がスムーズに動かなくなり、狭いすき間で衝突(インピンジメント)して痛みを引き起こします。これがインピンジメント徴候です。
肩峰下滑液包が炎症を起こすと、棘上筋や骨・靭帯がスムーズに動かなくなり、狭いすき間で衝突(インピンジメント)して痛みを引き起こします。これがインピンジメント徴候です。

リウマチ性多発筋痛症(PMR)の診断にも重要


肩峰下滑液包炎の有無は、リウマチ性多発筋痛症を診断するうえでも大切な手がかりになります。インピンジメント徴候の評価も、ぜひあわせて行っておきましょう。

代表的な評価方法が、NeerテストHawkinsテストです。いずれも検者が肩甲骨を押さえて固定し、腕を他動的に動かして痛みを誘発します。

肩の診察のまとめ
肩の診察のまとめ

1

視診 / 奥深いので腫れは見えにくい


2

可動域 / 屈曲(バンザイ)と外転をチェック(painful arc sign)


3

触診 / 腫脹・圧痛がないか


4

インピンジメント徴候 / Neerテスト・Hawkinsテスト

※本記事は肩関節の診察の基本を、患者さん・医療スタッフ向けにやさしく整理したものです。実際の診断・治療は個々の状態により異なります。気になる肩の痛みがあるときは、医療機関にご相談ください。


さくら在宅クリニック


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