誤嚥性肺炎を科学する56~▶ 鎮静作用や摂食嚥下運動が緩慢になる副作用をもつ薬剤がある。不眠症治療薬、筋弛緩作用をもつ薬(抗てんかん薬・抗精神病薬)、制酸薬などを内服している場合は注意しよう
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第8章 ③ 薬剤 | 3つの工夫
悪影響を及ぼす可能性のある薬(2)その他
鎮静・筋弛緩・制

酸薬が嚥下機能と誤嚥リスクに与える影響を正しく理解しよう
# 不眠症治療薬# 筋弛緩作用# 制酸薬# 誤嚥性肺炎# 嚥下障害# ポリファーマシー# 抗てんかん薬# 抗精神病薬# PPI# H₂RA
📅 2025年📖 口腔ケア・嚥下リハビリ🏷️ 薬剤・誤嚥・高齢者ケア
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▶ 鎮静作用や摂食嚥下運動が緩慢になる副作用をもつ薬剤がある。不眠症治療薬、筋弛緩作用をもつ薬(抗てんかん薬・抗精神病薬)、制酸薬などを内服している場合は注意しよう
唾液を減少させ口腔衛生を悪くする可能性がある薬剤については前項で述べました(90〜91ページ)。それ以外で配慮が必要なものには、①不眠症治療薬、②筋弛緩作用をもつ薬、③制酸薬などがあります。
必ずしも減薬や休薬が必要というわけではありませんが、ポリファーマシー(多剤併用による有害事象)につながることもありますので、担当医や薬剤師と常に相談することが大切です。
不眠症治療薬
不眠治療にはさまざまな種類・機序の薬剤が用いられます。すべての不眠症治療薬が問題になるというわけではありません。夜間臥床時に過度な鎮静をきたす可能性があるものには注意が必要です。代表的なものは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬です。
過度な鎮静は、気管内に誤侵入した唾液や分泌物を略出するための感覚を鈍らせます。さらに、不眠症治療薬は夜間就寝するために服用するものですので、数時間以上臥床したままの状態が続くことになります。臥床は胃食道逆流や嚥下回数減少の原因になり、ただでさえ誤嚥リスクが高い姿勢です。不必要な投薬を漫然と続けていないか吟味する必要があります。
筋弛緩作用をもつ薬(抗てんかん薬や抗精神病薬)
抗てんかん薬や抗精神病薬には筋弛緩作用を有するものが多く、摂食嚥下運動の緩慢につながります。症状の出現を抑制できる最小量を服用することが望ましいですが、時に過剰に服用していることもあります。
動作緩慢、嚥下反射の惹起遅延を伴う患者さんでは、薬が過剰ではないか検討しましょう。
制酸薬(PPI や H₂RA)
胃酸分泌抑制を目的としたプロトンポンプ阻害薬(PPI)やヒスタミンH₂受容体拮抗薬(H₂RA、H₂ブロッカー)は、メタ解析において誤嚥性肺炎発症のリスクになる可能性が示されています。
通常、口腔内の雑菌は唾液とともに嚥下され、胃酸によってほとんどの菌が死滅します。しかし制酸薬服用者では菌が生き残っており、逆流してきた胃液を誤嚥することで細菌性肺炎が引き起こされるという機序が推測されています。
特に寝たきりの方は逆流しやすく嚥下運動が少ないため、休薬やほかの薬剤への変更ができないかを考える必要があります。
📋 表8-2|誤嚥性肺炎の原因と考えられる副作用
利尿薬
唾液量減少(口腔内細菌増悪・嚥下潤滑性低下)
抗コリン薬
唾液量減少(口腔内細菌増悪・嚥下潤滑性低下)
不眠症治療薬
鎮静(咽頭・喉頭感度低下)
抗コリン作用
筋弛緩作用をもつ薬
(抗てんかん薬・抗精神病薬)
嚥下運動緩慢
抗コリン作用
鎮静作用
制酸薬
胃食道内細菌数増加
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