認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤45~「ビタミンB₁欠乏」とWernicke脳症過少診断を防ぎ、命と記憶を救う
- 15 時間前
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Wernicke脳症とは
Wernicke脳症はビタミンB₁(チアミン)欠乏によって引き起こされる急性〜亜急性の神経症候群です。 ビタミンB₁は糖代謝に関わる補酵素として機能し、 欠乏するとクエン酸回路とペントースリン酸回路での障害が生じ、 血管性浮腫と細胞毒性浮腫による脳障害が発生します。
Wernicke脳症の「3徴候」




EFNSガイドライン(2010年)の診断基準
アルコール使用障害の患者に対しては、従来の3徴候ではなく、 以下の4項目のうち2項目を満たせばWernicke脳症の臨床診断になるという基準が使用されています。


Wernicke脳症の約80%の例で記憶障害を主徴とするKorsakoff症候群を合併します。 Wernicke-Korsakoff症候群とも呼ばれ、以下の症状を特徴とします。
前向性健忘(新しいことを覚えられない)
逆向性健忘(過去の出来事を思い出せない)
作話(記憶の空白を無意識に作り話で埋める)
失見当識・病識の欠如・自発性の低下
意識障害・眼球運動障害・失調は治療に反応しやすいですが、 記憶障害は残存することが多い点に注意が必要です。
治療(緊急対応)



在宅医療の現場では、アルコール問題を抱えつつ通院が途絶えがちな患者さんや、 食事が摂れなくなった高齢者・がん患者さんに接する機会が多くあります。 こうした患者さんへのビタミンB₁投与は命と記憶を守る重要な医療介入です。



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