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認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤45~「ビタミンB₁欠乏」とWernicke脳症過少診断を防ぎ、命と記憶を救う

  • 15 時間前
  • 読了時間: 2分
「立てなくなった」「目の動きがおかしい」「同じことを何度も質問する」―― アルコール依存や栄養不足のある患者さんにこうした症状が現れたとき、 ビタミンB₁欠乏によるWernicke脳症を真っ先に疑ってください。 この疾患は死亡前に診断されるのはわずか約15%という過少診断の代表例であり、 治療の遅れが命と記憶に重大な後遺症をもたらします。
「立てなくなった」「目の動きがおかしい」「同じことを何度も質問する」―― アルコール依存や栄養不足のある患者さんにこうした症状が現れたとき、 ビタミンB₁欠乏によるWernicke脳症を真っ先に疑ってください。 この疾患は死亡前に診断されるのはわずか約15%という過少診断の代表例であり、 治療の遅れが命と記憶に重大な後遺症をもたらします。

Wernicke脳症とは

Wernicke脳症はビタミンB₁(チアミン)欠乏によって引き起こされる急性〜亜急性の神経症候群です。 ビタミンB₁は糖代謝に関わる補酵素として機能し、 欠乏するとクエン酸回路とペントースリン酸回路での障害が生じ、 血管性浮腫と細胞毒性浮腫による脳障害が発生します。

Wernicke脳症の「3徴候」

 ビタミンB₁欠乏を起こす背景
 ビタミンB₁欠乏を起こす背景
診断のポイント
診断のポイント

EFNSガイドライン(2010年)の診断基準

アルコール使用障害の患者に対しては、従来の3徴候ではなく、 以下の4項目のうち2項目を満たせばWernicke脳症の臨床診断になるという基準が使用されています。

MRI所見(特異度93%・感度53%)
MRI所見(特異度93%・感度53%)
 Korsakoff症候群とは
 Korsakoff症候群とは

Wernicke脳症の約80%の例で記憶障害を主徴とするKorsakoff症候群を合併します。 Wernicke-Korsakoff症候群とも呼ばれ、以下の症状を特徴とします。

  • 前向性健忘(新しいことを覚えられない)

  • 逆向性健忘(過去の出来事を思い出せない)

  • 作話(記憶の空白を無意識に作り話で埋める)

  • 失見当識・病識の欠如・自発性の低下

意識障害・眼球運動障害・失調は治療に反応しやすいですが、 記憶障害は残存することが多い点に注意が必要です。

 治療(緊急対応)

本症例の経過
本症例の経過
 在宅医療・訪問診療における役割
 在宅医療・訪問診療における役割

在宅医療の現場では、アルコール問題を抱えつつ通院が途絶えがちな患者さんや、 食事が摂れなくなった高齢者・がん患者さんに接する機会が多くあります。 こうした患者さんへのビタミンB₁投与は命と記憶を守る重要な医療介入です。


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