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認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤4 妄想性誤認症候群(DMS)——認知症における人物・場所の誤認と3症例

  • 1 日前
  • 読了時間: 2分

妄想性誤認症候群(DMS)——認知症における人物・場所の誤認と3症例

認知症の進行過程において、人物や場所といったアイデンティティの誤認はしばしばみられる。こうした誤認に基づく体験を「妄想性誤認症候群(delusional misidentification syndrome: DMS)」と呼ぶ。本稿では典型的な3症例を通じて各症候の特徴・頻度・対応について解説する。


 典型症例3例の提示

妄想性誤認症候群(DMS)の分類
妄想性誤認症候群(DMS)の分類

神経疾患・精神疾患でみられる妄想性誤認症状としてCapgras妄想やFregoli症候群などが知られている。1980年代にChristodoulouらがこれらの症状を包括的に「妄想性誤認症候群(DMS)」として提唱した。

 DMSの頻度——DLBで最も高頻度
 DMSの頻度——DLBで最も高頻度
メモリークリニック外来患者を対象とした研究では、AD患者の各誤認症状の頻度は概ね3%以下であったが、DLBでは顕著に頻度が高く、特に人物の誤認・場所の誤認・幻の同居人・養生症候群はいずれも10%以上の頻度で認められた。DMSは圧倒的にDLBで頻度が高く、DLBの視覚認知の障害や幻視などの精神症状との関連があると考えられる。
メモリークリニック外来患者を対象とした研究では、AD患者の各誤認症状の頻度は概ね3%以下であったが、DLBでは顕著に頻度が高く、特に人物の誤認・場所の誤認・幻の同居人・養生症候群はいずれも10%以上の頻度で認められた。DMSは圧倒的にDLBで頻度が高く、DLBの視覚認知の障害や幻視などの精神症状との関連があると考えられる。

鏡徴候・TV徴候はADとDLBの双方で稀な現象(鏡徴候:3% vs 4.5%、TV徴候:1.5% vs 4%)とされている。

DMSへの対応——Capgras妄想を中心に

DMSの治療に関するエビデンスは不足している。薬物療法についての研究報告は症例報告以外になく、コリンエステラーゼ阻害薬・抑肝散・抗精神病薬などを副作用に注意しながら用いることが一般的である。

Lewy小体型認知症協会によるCapgras妄想への対応のポイント:

患者の信念を否定しない

患者の気持ちに寄り添う

妄想性誤認とは異なる話題に切り替えたり、他の活動を促すことで気を逸らす

DLBの影響であると説明する

いったん離れて、数分後に戻ってくる

患者の部屋に入る際には、前もって電話や声などの音で入室することを知らせる

Capgras妄想が本人に深刻な苦痛や安全上の問題がある場合は、薬物療法を考慮する

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