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認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤36~言葉が出なくなり、体も動かなくなる— FTD-ALSという「二つの難病」の重なり

  • 2 時間前
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在宅医療さくら在宅クリニック逗子市FTD-ALS前頭側頭型認知症筋萎縮性側索硬化症PPATDP-43難病在宅緩和ケア

言葉が出なくなり、体も動かなくなる— FTD-ALSという「二つの難病」の重なり

「言葉が出にくい」という訴えから始まり、やがて呼吸機能まで失われた70歳代の女性。前頭側頭型認知症(FTD)と筋萎縮性側索硬化症(ALS)が同時に進行する「FTD-ALS」という病態は、ALSとFTDが同一の疾患スペクトラム上にあることを示しています。在宅での終末期を支えるためにも、この病態を知ることが重要です。

症例の概要

患者は70歳代前半の女性。10カ月前から言葉が出にくく滑舌が悪化。3カ月前から自転車で転倒するようになり、長年続けていた新聞配達を辞めた。自ら神経疾患の精査を希望して受診。

FTDとALSは同一疾患スペクトラム
FTDとALSは同一疾患スペクトラム
2006年にALS症例の下位運動ニューロンとFTD症例の大脳皮質に認められるユビキチン陽性封入体がいずれもTDP-43蛋白によって構成されていることが発見され、ALSとFTDが病理学的に同一の疾患スペクトラムを形成していると考えられるようになりました。
2006年にALS症例の下位運動ニューロンとFTD症例の大脳皮質に認められるユビキチン陽性封入体がいずれもTDP-43蛋白によって構成されていることが発見され、ALSとFTDが病理学的に同一の疾患スペクトラムを形成していると考えられるようになりました。
本症例の経過(全2年6カ月)
本症例の経過(全2年6カ月)

 

初診時

発語失行・喚語困難・統語理解障害・右上下肢の軽度麻痺。PPA(分類不能)+ALSと診断。

 

初診後6〜7カ月

頸部筋力低下による首下がり。垂直性核上性注視麻痺・舌の萎縮出現。右上下肢にも全麻痺。

 

初診後8カ月

随意的な嚥下・発声・歩行が不能に。内視鏡的胃瘻造設術(PEG)・気管切開術。経管栄養と定期的な痰の吸引開始。

 

初診後1年8カ月

人工呼吸管理による延命措置は希望されず永眠。剖検でTDP-43陽性神経細胞内封入体を広範に確認。

FTD-ALSと失語(PPA)の関係

FTD-ALSに合併する失語症状はPPA(原発性進行性失語症)として現れることが多く、nfvPPA(非流暢/失文法型)またはsvPPA(意味型)の診断基準を満たすことがあります。

FTD-ALS症例の32例を対象とした病理学的研究では、31%がPPAの診断基準を満たす言語症状を呈していました。nfvPPAやsvPPAの特徴を持つ患者が急速な運動障害を伴う場合、FTD-ALSへの移行を念頭に置く必要があります。
FTD-ALS症例の32例を対象とした病理学的研究では、31%がPPAの診断基準を満たす言語症状を呈していました。nfvPPAやsvPPAの特徴を持つ患者が急速な運動障害を伴う場合、FTD-ALSへの移行を念頭に置く必要があります。
在宅医療での関わり方
在宅医療での関わり方

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