認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤31~若年性認知症の陰に潜む遺伝性血管病— CADASILを知っていますか?
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在宅医療さくら在宅クリニック逗子市CADASIL若年性認知症脳血管疾患遺伝性疾患
40代で認知機能が低下し、仕事が続けられなくなる——。その背景に「CADASIL(カダシル)」という遺伝性脳血管疾患が隠れていることがあります。本記事では実際の症例をもとに、この希少疾患の特徴と在宅医療における関わり方を解説します。
症例の概要
患者は40歳代後半の女性。中学生の頃から前兆のない頭痛があり、X+12歳時にめまい・嘔吐でMRI検査を受けた際、橋梗塞および無症候性多発脳梗塞を指摘されました。その後、計算ができない、通帳や保険証の場所がわからないなどの日常生活障害が進行し、夫に付き添われて受診。

CADASILとはどんな病気か
CADASILは「皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体顕性遺伝性脳動脈症」の略称です。Notch3遺伝子の変異が原因で、血管壁の平滑筋が変性し、脳の細い血管に慢性的な障害をきたします。

CADASILの認知症は「皮質下性認知症」が特徴です。初期には処理速度の低下・注意障害が目立ち、進行すると遂行機能障害が現れます。記憶は比較的保たれる一方で、想起(思い出すこと)が障害されやすい傾向があります。
本症例のMoCA-Jでも、注意課題(数唱・シリアル7)と遅延再生での失点が目立ち、皮質下性認知症の典型的なパターンを示していました。
MRI画像所見のポイント

遺伝子検査(Notch3遺伝子)または皮膚生検による確定診断が可能です。どちらも保険収載されており、疑った際には積極的に検索することが推奨されます。本症例ではNotch3遺伝子にc.406C>T(p.Arg110Cys)の既知の変異が確認され、診断が確定しました。
在宅医療における関わり
CADASILは根治療法がなく、現在は脳梗塞の予防(抗血小板療法)や血管危険因子の管理(高血圧・喫煙など)が中心となります。認知機能低下が進んだ段階では、在宅での多職種連携が不可欠です。
常染色体顕性遺伝(50%の確率で子に伝わる)であるため、遺伝カウンセリングも重要な支援の柱となります。家族全体を見据えたケアが求められます。

さくら在宅クリニック
神奈川県逗子市 | 在宅医療・訪問診療




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