認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤1
- 4月25日
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認知症はかつて「痴呆」と呼ばれ、理解も治療も限られていた時代がありました。しかし現在では、病態理解や画像診断、バイオマーカー、治療薬の進歩により大きく変化しています。前回までは認知症について家族向けに記載させて頂きました。
今回は認知症研究の進歩を背景に、実臨床に役立つ形で認知症を整理・解説することを目的とし解説しました。診療は科学であると同時に、人に向き合う「アート」でもあります。認知機能だけでなく、その人の人生や家族、社会的背景を理解する視点が重要です。症例ベースで、日常診療に直結する知識を体系的に提示していきます。頻度の高い典型例から、見逃せない治療可能な疾患、稀な疾患まで幅広く網羅しています。また、認知症に似た疾患(ミミック)も重要な視点として取り上げています。今後さらに治療が進歩し、認知症が「治せる疾患」となる未来も期待されています。その中でも、患者一人ひとりの人生に寄り添う姿勢こそが、私たちに求められる本質ですと考えています。
認知症のみかた——生物学的視点と人生行路的視点の両輪で臨む
アルツハイマー病への疾患修飾薬の登場とバイオマーカーの進歩により、認知症診療の生物学的側面は急速に発展しています。一方、実臨床では「人生行路的認知症観」への視点転換もまた、患者・家族に寄り添う質の高い診療を実現する上で不可欠です。もの忘れ外来での診察プロセスと介入・指導の要点を整理します。
生物学的認知症観と人生行路的認知症観——2つの視点
65歳以上の5人に1人が認知症といわれる時代、認知症専門医には以下の2つの視点の両方が求められています。

的確な生物学的診断のための4ステップ




診断は家族と本人の前ではっきりと告げることが望ましい時代になったが、紋切り型の診断名告知は避け、病態をわかりやすく説明するよう心がける。
家族が本人のもの忘れを注意しすぎて感情面の軋轢がある場合は、本人の前で「もの忘れをしたくない、しっかりしたいといちばん思っているのはご本人です。ご家族がもの忘れを指摘しすぎたり叱ったりすると気分がよいはずはない。誰でも自分の弱点を何度も指摘されたくないでしょう」と説明し、注意叱責を慎むよう指導する。
認知症は本人と周囲の人との関係性を壊す病であり、壊れた関係性の修復こそが最も重要な治療である。
行動・心理症状(BPSD)の対応


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