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認知症について家族へ向けて10~「服が着られない」は怠けじゃない——認知症が起こす"意思と身体のズレ"とは

  • 4月15日
  • 読了時間: 3分

さくら在宅クリニック|逗子市

「服が着られない」は怠けじゃない——認知症が起こす"意思と身体のズレ"とは

在宅医療 · 認知症ケア · 逗子市

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はじめに

「着替えを嫌がる」「同じ服ばかり着たがる」「コップを口元でこぼす」——認知症のある方の日常でよく見られるこれらの行動、実は意思や記憶の問題ではなく、身体の動かし方そのものがわからなくなることが原因のひとつです。

今回は、認知症が引き起こす「意思と身体の動きのズレ」について、具体的な症状と在宅での工夫をご紹介します。

代表的な心身機能障害(3タイプ)

心身機能障害 29

対象物との距離を正確に把握できない

コップをつかもうとしてもうまくつかめない。洗濯物をハンガーに通せない。前の車との距離がわからず接近してしまう。

心身機能障害 30

モノや空間の奥行きの存在を認識できない

鍵穴に鍵が刺さらない。財布からお釣りが出せない。かばんの中に物をしまえない。階段の段差が見えず怖い。

心身機能障害 31

自分の身体の位置や動きを適切に認識できない・動かせない

靴下が履けない。服の上下左右がわからない。ヨガで先生の動きを真似できない。文字が読めないほど乱れる。

なぜ「服が着られなく」なるのか

「服を着る」という動作は、実は非常に複雑です。①服をつかむ → ②形を把握する → ③裾を持ち頭を入れる → ④袖の穴を見つけて手を通す → ⑤衿から頭を出す。この手順のどこかでつまずくと、そこから先に進めなくなります。

原因は主に3つあります。

身体地図の障害:脳の中にある「自分の手足がどこにあるか・どう動くか」という地図が乱れ、手足の位置が把握できなくなる。② 空間認識の障害:袖の奥行きや穴の位置がわからず、手を入れる方向と距離が計算できない。③ 動作の順番がわからなくなる:複数のステップを正しい順に実行することが難しくなる。

「1枚の服を着るのに1時間以上かかってしまいました。着替えを嫌がっているわけでも、着替えが嫌なわけでもないのに……」——認知症当事者の声

在宅でできる工夫・介助のヒント

服の選び方

形がはっきりした服・サラサラ素材を選ぶ。首の後ろに目印を縫いつけると上下・表裏が一目でわかる。腕の先まで広げて並べて置いておくと迷いが減る。

袖口・入り口の工夫

袖の通し口の内側に目印テープを丸く貼っておくと入り口がわかりやすい。ゴワゴワ素材は避ける。柔らかすぎる素材も形がつかめず逆効果。

コップ・茶碗の工夫

取っ手付きで安定感のあるコップを使う。テーブルの端を避け、コントラストのはっきりしたテーブルクロスの上に置くと距離感が把握しやすい。

鍵・財布の工夫

鍵は色分けやキーホルダーで判別しやすくする。財布はカード型・仕切りが少ないものにすると取り出しやすい。

「着替えを嫌がる」ときの声かけ

「着替えを拒否している」と感じたとき、本人はしばしば「服の脱ぎ着が難しく、できるだけ着やすい服を着ていたい」という気持ちから同じ服を選んでいます。無理に別の服に着替えさせようとせず、着やすい服を増やす・一緒に手順を確認するなど、本人の視点に寄り添った対応が大切です。

さくら在宅クリニックのご紹介

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さくら在宅クリニック

📍 神奈川県逗子市

⚒ 訪問診療 · 在宅医療 · 認知症ケア対応

「服が着られなくなった」「食事中にこぼすことが増えた」「外出が怖くなった」——こうした日常動作の変化も、訪問診療の大切な相談対象です。医師・看護師・リハビリ専門職が自宅に伺い、本人と家族を一緒に支えます。

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