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神経障害性疼痛疼痛を科学する8~神経障害性疼痛の治療の進め方と到達目標8段階のアプローチで「痛みと生活」を支える

  • 15 時間前
  • 読了時間: 3分
神経障害性疼痛は慢性化しやすく、治療期間が長期に及ぶことが多い疾患です。 治療の目標は「痛みの完全消失」ではなく、痛みを許容できる範囲に緩和しながら 身体機能とQOLを維持・改善することにあります。 本記事では、欧州・カナダ・国際疼痛学会のガイドラインに基づく 8段階の治療アプローチを解説します。
神経障害性疼痛は慢性化しやすく、治療期間が長期に及ぶことが多い疾患です。 治療の目標は「痛みの完全消失」ではなく、痛みを許容できる範囲に緩和しながら 身体機能とQOLを維持・改善することにあります。 本記事では、欧州・カナダ・国際疼痛学会のガイドラインに基づく 8段階の治療アプローチを解説します。

 なぜ薬物療法が慢性疼痛の中心なのか

神経障害性疼痛に悩む人々の割合は人口の数パーセントに及ぶといわれ、 多くの場合、痛みは長年にわたって患者の心身両面をさいなみ続けます。

薬物療法は臨床上のエビデンスが確立されており(欧州神経学会・カナダ疼痛学会・IASP各ガイドライン)、 神経障害性疼痛治療の基本的な緩和的治療法として位置づけられています。 また、いずれの診療機関でも随時提供できる非侵襲的な方法であり、 在宅医療・プライマリーケアの現場でも適切に施すことが可能です。

 治療の8段階アプローチ

 第1段階:総合的初期診療のポイント
 第1段階:総合的初期診療のポイント

疼痛症状の評価

  • 疼痛の部位・性質・時期・増悪因子・寛解因子を評価

  • 嚥下機能・四肢運動機能・排泄機能・認知機能・コミュニケーション機能も評価

  • 初診時に詳細に調べ、記録を残しておく」ことが治療効果判定の基準となる

  • 主観的な除痛効果の自己申告はしばしば信頼性に乏しい → 家族・介護者の意見も参考に

病歴・社会的背景の収集

 第3段階:治療方針の選択
 第3段階:治療方針の選択

① 薬物療法が主体となる病態

疼痛部位が四肢対称性(手袋足袋型)の糖尿病性神経障害・多発神経炎などは、 外科的療法・インターベンション治療の対象外となり、薬物療法が中心です。

② 根治的非薬物療法が奏効する病態

  • 疼痛責任神経系が解剖学的に限局し、絞扼や圧迫による症状

  • 本態性三叉神経痛、脊柱管狭窄症・椎間板症、肋間神経痛、手根管症候群

③ 電気刺激療法を検討する病態

  • 視床痛・幻肢痛・腕神経叢損傷後疼痛 → 脳深部刺激療法・脊髄電気刺激療法

  • 求心路遮断痛 → 脊髄電気刺激療法

治療法カテゴリ

具体的な方法

薬物療法

プレガバリン・三環系抗うつ薬・SNRIなど(別項参照)

理学療法

関節可動域訓練、歩行訓練、義肢装着、装具・スプリント

心理行動療法

カウンセリング、認知行動療法(CBT)

非侵襲的鎮痛治療

低出力レーザー照射、経皮的電気刺激(TENS)、バイオフィードバック、鍼灸

低侵襲治療(インターベンション)

神経ブロック(三叉・星状・硬膜外・肋間など)、脊髄電気刺激療法、椎体形成術など

外科的療法

椎間板ヘルニア摘出術、脊柱管拡開術、三叉神経減荷術、手根管開放術など

医療・福祉相談

医療費減額、生活保護、身体障害者認定、難病指定、リハビリ施設斡旋

第4段階:治療の到達目標設定

慢性期の神経障害性疼痛では主観的な除痛効果だけでなく、 客観的な身体機能評価・日常生活動作・社会活動性が指標となります。 到達目標と身体機能は患者・医療者の双方から再確認できるよう記録に残すことが重要です。

 第7段階:治療の維持と再評価「4As」
 第7段階:治療の維持と再評価「4As」

薬物療法の効果判定には、次の4つのAの確認が推奨されています(グレードA)。

 在宅医療・訪問診療における疼痛治療
 在宅医療・訪問診療における疼痛治療

在宅医療の現場では、痛みの「性質・記録・目標設定」が通院患者に比べて手薄になりがちです。 慢性疼痛を抱える患者さんの訪問診察では、以下の視点を意識することが重要です。


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