在宅医療を科学する38~RS3PEとPMR——鑑別が難しい理由と見分けるポイント
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RS3PEとPMR——鑑別が難しい理由と見分けるポイント
なぜ鑑別が難しいのか?
RS3PE(Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema)とPMR(Polymyalgia Rheumatica:リウマチ性多発筋痛症)は、臨床の現場でしばしば混同される疾患です。
その理由は明確で、この2つの疾患には3つの大きな共通点があります。
高齢発症:どちらも主に60歳以上の高齢者に発症します
炎症所見:CRPや赤沈の上昇など、明らかな炎症反応を伴います
ステロイド反応性:どちらも少量〜中等量のステロイドに劇的に反応します
これだけ共通点が多ければ、鑑別に迷うのは当然のことです。
同時に併存することもある
さらに厄介なのは、両疾患が同時に存在するケースがあるという点です。
実際、PMR患者の**約10〜30%**においてRS3PE様の浮腫が出現するとも言われています。つまり、「どちらか一方」と割り切れない場面も少なくありません。
鑑別のカギとなる2つのサイン
それでも、診察の場でヒントになる特徴的なサインがあります。
① 「両手背の強い浮腫」→ RS3PEを強く疑う
両手背に著明なpitting edema(圧痕性浮腫)が見られる場合、これはRS3PEのほぼ決定打となる特徴的なサインです。 「手の甲がパンパンに腫れている」という訴えや所見があれば、まずRS3PEを念頭に置きましょう。
② 「肩・骨盤帯のこわばりが主体」→ PMRを第一に考える
両肩や骨盤帯(大腿近位部)の朝のこわばりや疼痛が中心症状である場合は、PMRを優先して考えます。 「朝、腕が上がらない」「立ち上がりが辛い」といった訴えはPMRの典型像です。
まとめ
特徴 | RS3PE | PMR |
主な症状 | 両手背の著明な浮腫 | 肩・骨盤帯のこわばり・疼痛 |
共通点 | 高齢発症・炎症・ステロイド反応性 | ← 同左 |
併存 | PMR患者の10〜30%に浮腫合併あり | ← 同左 |
RS3PEとPMRは「似て非なる疾患」であると同時に、「重なり合う疾患」でもあります。 どちらか一方に固執せず、両疾患の可能性を常に念頭に置いた柔軟な診断が求められます。
高齢者の炎症・浮腫・こわばりを診る際には、ぜひこの視点を活かしてみてください。




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