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リウマチを科学する39 関節リウマチの「分類基準」の使い方

11 分前
読了時間: 3分

関節リウマチの「分類基準」の使い方

〜1987年の「古い」基準と、2010年の「新しい」基準〜

対象:主に医療・介護スタッフの皆さん(患者さん・ご家族も読めます)

関節リウマチには有名な分類基準が2つあります。1987年の「古い」基準と、2010年の「新しい」基準です。それぞれの中身と、使うときに気をつけたいポイントを整理します。

1まず大前提:「分類」基準は「診断」基準ではない

※この考え方は第2章「リウマチ・膠原病はどうやって診断するのか」でもご紹介しました。
※この考え方は第2章「リウマチ・膠原病はどうやって診断するのか」でもご紹介しました。

2古い分類基準:1987年 米国リウマチ学会

全部で7項目。4項目以上を満たすと関節リウマチと分類されます。

※基準がつくられた当時は、抗CCP抗体はまだ発見されていませんでした。
※基準がつくられた当時は、抗CCP抗体はまだ発見されていませんでした。
3新しい分類基準:2010年 米国/欧州リウマチ学会
3新しい分類基準:2010年 米国/欧州リウマチ学会

関節リウマチは、時間がたつと関節が壊れてしまいます。だからこそ早期診断が大切。そこで、早期の関節リウマチも分類できるようにつくられたのが新しい基準です。

STEP 0|まず2つの前提条件をクリアする

ここが最重要:この基準は「鑑別」をしてくれない
ここが最重要:この基準は「鑑別」をしてくれない

前提条件②の鑑別は、基準の外で自分で行う必要があります。日本リウマチ学会は「新基準使用時のRA鑑別疾患難易度別リスト」をWebで公表しています。

STEP 1|4つの項目に点数をつける

ここで大切なのが「大関節」と「小関節」の区別です。

2つの落とし穴
2つの落とし穴

手首は「小関節」です。なんとなく大関節っぽく感じますが、この基準では小関節に数えます。


足の親指の付け根(第1MTP関節)は含まれません。痛風など関節リウマチ以外の病気でもよく侵され、特異性が低いためです。

小関節が多く腫れたり痛んだりするほど点数が高くなります。手足の小関節炎が関節リウマチに典型的だからです。

カテゴリー

詳細

点数

A. 関節病変


腫脹または圧痛のある関節数

1個の大関節

0

2〜10個の大関節

1

1〜3個の小関節

2

4〜10個の小関節

3

11関節以上(少なくとも1つは小関節)

5

B. リウマトイド因子と抗CCP抗体

どちらも陰性

0

いずれかが低値の陽性

2

いずれかが高値の陽性

3

C. 急性期反応


CRPまたは赤沈

どちらも正常値

0

どちらかが異常値

1

D. 症状の持続期間

6週間未満

0

6週間以上

1

4実際に点数をつけてみる(架空の例)
4実際に点数をつけてみる(架空の例)

発症して間もない方でも、新しい基準なら分類できることを確かめてみましょう。

項目

架空の例

該当

点

関節病変

両手のPIP・MCP関節など、6ヵ所の小関節が腫れて痛む

4〜10個の小関節

3

RF・抗CCP抗体

抗CCP抗体が正常上限の5倍

高値の陽性

3

急性期反応

CRPが少し高い

異常値

1

持続期間

症状が出て2ヵ月

6週間以上

1

※この方は症状が出て2ヵ月。骨びらんもリウマトイド結節もまだなく、古い基準では4項目に届かない可能性があります。ただし、前提条件②の鑑別がきちんとできていることが前提です。
※この方は症状が出て2ヵ月。骨びらんもリウマトイド結節もまだなく、古い基準では4項目に届かない可能性があります。ただし、前提条件②の鑑別がきちんとできていることが前提です。

点数が高い=「関節リウマチらしい」。でも、それだけで決めない

スコアだけを根拠にすると、ほかの病気を関節リウマチと誤診してしまう可能性があります。前提条件で述べたとおり、鑑別をきちんと行うことが欠かせません。 今回のまとめ

  • 分類基準は診断基準ではないが、「関節リウマチらしさ」を知る参考になる

  • 「古い」基準(1987年)は満たせば診断してよいが、早期の関節リウマチには不向き

  • 「新しい」基準(2010年)は早期の分類が可能。ただし他の病気の鑑別は自分で行う

  • 手首は小関節、第1MTP関節は数えない

#関節リウマチ#分類基準#ACR1987#ACR/EULAR2010#早期診断#大関節と小関節#抗CCP抗体#リウマトイド因子#鑑別診断#膠原病#在宅医療#さくら在宅クリニック

※本記事は一般的な医学情報をわかりやすくお伝えするために内容を簡略化しています。分類基準は研究目的でつくられたものであり、点数だけで診断が決まるものではありません。点数計算の例は説明用の架空の例です。必ず主治医にご相談ください。



 
 
 

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