パーキンソン病を科学する38
- 賢一 内田
- 7月5日
- 読了時間: 2分

〜MRI画像から読み解く脳の変化〜
パーキンソン病は、脳の「黒質」などにおけるドパミン神経細胞の減少を特徴とする進行性神経疾患です。運動機能の低下(手足の震え・動作緩慢・筋強剛など)だけでなく、認知・精神症状や自律神経症状など、多面的な症状が現れます。
🔍画像でみる「皮質基底核変性症」
下図は、頭部MRIでみられる皮質基底核変性症(CBD)の一例です。
<img src="file-NWq6RRiujacV9cwNHEqcum" alt="頭部MRI:皮質基底核変性症" width="500"/>
CBDは、パーキンソン症状を示す**パーキンソン症候群(パーキンソン病類縁疾患)**のひとつで、以下のような所見が特徴です。
大脳皮質(特に運動野)に左右差を伴う萎縮
基底核(被殻・淡蒼球)にも変性が及ぶ
画像上、脳溝の左右差が目立つ
この画像では、右脳の皮質がより萎縮しており、「脳溝(中心溝)」の拡大がみられます。これは、進行性の神経細胞脱落を示唆する所見です。
🧭 パーキンソン病とパーキンソン症候群の違い
項目 | パーキンソン病 | パーキンソン症候群(CBDなど) |
原因 | 特発性(不明) | 神経変性疾患の一部(例:CBD, MSA, PSPなど) |
発症 | 徐々に進行 | 急速な進行もありうる |
画像所見 | 明確でないことが多い | 明らかな脳萎縮や左右差を伴うことあり |
薬効 | L-ドパ有効 | L-ドパ抵抗性が多い |
✨まとめ
パーキンソン病のような症状があっても、その背景にある疾患はさまざまです。**「画像診断」や「症状の左右差」**なども、鑑別のヒントとなります。進行が早い・左右差が強い・L-ドパの効果が乏しいといった場合には、パーキンソン病類縁疾患の可能性も念頭に置くことが重要です。YouTubeでも学べます!
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