在宅酸素療法を科学する19~在宅酸素療法の実際〜酸素供給装置の選び方と加湿の考え方〜
- 4月24日
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1在宅酸素療法における共通の注意点

酸素供給装置を使用するうえで、すべてのシステムに共通する基本的な注意事項があります。日常生活のなかで安全を確保するため、以下の点を必ず守ってください。


在宅酸素療法で使用される酸素供給装置は、大きく「酸素濃縮器・ボンベシステム」と「液体酸素システム」の2種類に分けられます。それぞれの特徴を理解し、患者さんの生活スタイルや病状に合わせた選択が重要です。
酸素濃縮器・ボンベシステム
室内気の酸素を濃縮するシステムです。コンプレッサーを使用するため電気が必要です。ポータブル型はそのまま外出に持ち出すことができ、自動車の電源や飛行機内への持ち込みも可能なものがあります(ただしアダプターが別途必要な場合もあります)。

液体酸素を少しずつ気化させて酸素を供給するシステムです。液体酸素ボンベは高圧酸素ボンベよりも低圧のため扱いやすい反面、親機が重く基本的に移動しません。携帯用の子機は小型・軽量(満充填で1.6kg)で長時間使用が可能です。

2つのシステムを以下の表で詳しく比較します。




加湿の仕組みと問題点
酸素供給装置から供給される酸素は、湿度がほとんどありません。これは酸素濃縮器も液体酸素も同様です。加湿装置はプラスチック容器に水を入れ、酸素をその水中に通すことで加湿する仕組みです。気管支拡張症など分泌物が多い場合には加湿がより重要になり、高流量の場合は特に加温も必要になります。
しかしながら、一般的な使用においても容器の水が病原性細菌で汚染される可能性が指摘されています。また、患者さんが換気するのはほとんどが周囲の室内気であることから、室温での加湿器の加湿能力は限定的であるとも言われています。
鼻乾燥感・鼻出血・頭痛について、低流量酸素で加湿の有無をクロスオーバーにより比較した研究では、初日の乾燥感のみ加湿群で軽減できたが、その他の症状では差がなかったことが示されています。こうした経緯から、簡便性・快適性と感染予防の観点から「必ずしも酸素を加湿する必要はない」と考えられるようになっています。
各種ガイドラインの見解
上記エビデンスを踏まえ、国内外の主要なガイドラインでは以下のような見解が示されています。



一方で、気管切開の患者さんでは加湿が必要です。気管切開チューブ内に分泌物が付着して生じる狭窄・閉塞を防ぐため、加湿は欠かせません。また、経気管カテーテル使用の場合も、低流量(1L/分)の投与でも加湿を十分に行うことが重要とされています。
小児においては、加湿をしなくて良いという根拠がないため、基本的に加湿を行うことを考慮しつつ、症例によって判断していく必要があります。






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