創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する20~ドレッシング材・テープ類の正しい剥がし方
- 賢一 内田
- 6月30日
- 読了時間: 3分

〜皮膚を守るやさしいケアのために〜
創傷ケアでは「貼る」だけでなく、「剥がす」ことにも大切なポイントがあります。間違った剥がし方は、せっかく治りかけた創部や周囲皮膚を傷つけてしまう原因になります。今回は、ドレッシング材や絆創膏・フィルムを剥がす際の基本的なコツを紹介します。
① ドレッシング材を剥がす前に観察を!
まずは創部やその周囲の皮膚の状態を確認しましょう。
ドレッシングが「よれている」「ずれている」場合は、摩擦やずれによる刺激が加わっているサインです。
剥がす前に剥離部分に洗浄液を軽く浸して湿らせると、皮膚への負担を減らせます。
② 剥がすときの基本動作
皮膚を傷つけないために、以下の点を意識しましょう。
皮膚を軽く押さえながら、ゆっくりと少しずつ剥がします。
剥がす方向は次のように工夫します:
外側から創部に向かって、多方向から少しずつ
毛の流れに逆らわない方向で
汚染されている部分は最後に
剥がしたあとは、ドレッシング材の裏側も観察して、滲出液の量や状態をチェックします。これも大切な情報源です。
③ 絆創膏やポリウレタンフィルムの剥がし方
テープ類は皮膚に強く密着しているため、特に注意が必要です。
皮膚とテープの角度を90度以上に折り返し、皮膚を押さえながら、ゆっくり丁寧に剥がすのが基本。
ポリウレタンフィルムなどの場合は、皮膚と水平に引くように剥がす方法も有効です。
💡 剥がれにくいときは…
微温湯(ぬるま湯)で湿らせたり
皮膚用リムーバーを使用することで、皮膚へのダメージを抑えられます。
おわりに
やさしい剥がし方は、患者さんの痛みを減らすだけでなく、創傷治癒を妨げないためにも重要です。毎日のケアの中で「どう剥がすか」にも目を向けてみてくださいね。🎥 YouTubeで在宅医療をやさしく学べます!📺 内田賢一の在宅医療チャンネル – YouTube高齢者医療・神経難病・終末期医療の視点を、やさしく・深く・わかりやすくお届けしています。
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