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逗子、葉山、鎌倉、横須賀、横浜市金沢区の在宅医療

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看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する46~エコーで見るDVT⑤ ― 検査法と実践のポイント
深部静脈血栓症(DVT)は、 非侵襲的に診断できる代表的疾患のひとつ です。その評価において、エコー(超音波)は最も有用かつ即時性の高い検査手段です。今回は、DVTの**エコー検査法(全下肢静脈法)**について解説します。 🔍 DVTのエコー検査法 ― 2つのアプローチ DVT評価には、観察範囲の異なる2つの方法があります。 ① 全下肢静脈法(Whole-leg venous ultrasound) 骨盤部の総腸骨静脈から下腿ひらめ静脈まで を系統的に観察 急性期・慢性期ともに評価でき、再検不要 診療・在宅領域でも標準的な手技 ② 2点圧迫法(2-point CUS:compression ultrasonography) 鼠径部(総大腿静脈)と膝窩部(膝窩静脈) の2か所を限定的に圧迫評価 時間が限られる 救急現場向けの簡易法 初回陰性でも 1週間後の再検が必須 💡 本稿では、より詳細な評価が可能な 全下肢静脈法 を中心に解説します。 🩻 観察対象と静脈の基本構造 下肢の静脈は**筋膜より浅い「表在静脈」**と、**筋膜より深い「深部静
10月16日読了時間: 4分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する45~エコーで見るDVT(深部静脈血栓症)― リンパ浮腫との鑑別にも重要
リンパ浮腫と同様に「下肢の腫脹」を呈する疾患として、**深部静脈血栓症(DVT: deep vein thrombosis)**があります。DVTは、**肺塞栓症(PE: pulmonary embolism)**の原因となり得る、命に関わる重要な疾患です。今回は、DVTの基本・症状・エコーによる診断法を整理します。 🩸DVTとは? 〜VTEという概念〜 DVTとは、主に**下肢の深部静脈(腸骨静脈〜下腿静脈)**に血栓が形成された状態を指します。それ自体は必ずしも致死的ではありませんが、 血栓が肺へ飛んでPE(肺塞栓症)を起こす と、突然の呼吸困難やショックを来し、重篤な転帰をとることがあります。 この DVTとPEを合わせて「VTE(venous thromboembolism:静脈血栓塞栓症)」 と呼びます。VTEは俗に「 エコノミークラス症候群 」「 旅行者血栓症 」としても知られ、長時間同じ姿勢で過ごす飛行機搭乗中や、術後の臥床中に発生することがあります。 💡 日本でも近年、生活習慣や高齢化、長時間手術などの影響で VTEは増加傾
10月15日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する44~エコーで見るリンパ浮腫④ ― 評価と判断の手技
エコーはリンパ浮腫の 病期判定・浮腫範囲の把握・経時的変化の追跡 において、非常に有用なツールです。ここでは、臨床での観察手技と経時的評価のポイントをまとめます。 🔍 内部性状の違いによる評価 リンパ浮腫では、 患肢全体の皮下組織の状態 を把握することが第一歩です。観察範囲は次の通りです。 上肢リンパ浮腫 :手関節(尺骨側)から上腕まで 下肢リンパ浮腫 :足関節(外果)から大腿まで 🔸 撮影のコツ エコー装置の「 動画機能 」や「 パノラマ撮影 」を活用すると、患肢全体の連続像を得られます。 プローブと皮膚の両方にゲルを十分塗布し、 皮膚上を滑らせながら移動 するのがポイントです。 プローブは**身体の長軸方向(縦向き)**に当てます。 💡 コツ: 浮腫の程度は長軸方向に変化するため、縦方向の走査がより正確な観察につながります。 🧭 部位による内部性状の違い 下肢リンパ浮腫の例を見ると、患肢全体で皮下組織が厚く、部位によって 内部性状(エコー輝度・構造)が異なる ことが分かります。これは、同じ患肢でも 部位ごとに病期が異なる可能性 を示
10月14日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する43~エコーで見るリンパ浮腫③ ― 皮下組織の変化と「敷石様像
リンパ浮腫では、皮下組織の構造変化が進行とともに現れます。エコー(超音波)を用いると、この**皮下層の「見えないむくみ」 を視覚的にとらえることができます。特に特徴的なのが、浅筋膜の変化と 「敷石様像(paving stone appearance)」**です。...
10月13日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する41~エコーで見るリンパ浮腫② ― 病期の評価とセルフケア支援
リンパ浮腫の管理で最も重要なことは、 病期を正確に評価し、進行を防ぐこと です。問診・視診・触診に加えて、近年では エコー(超音波)による非侵襲的な病期評価 が注目されています。 🔍② 病期進行を適切に評価する ― エコーが果たす役割...
10月12日読了時間: 3分


看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する41~エコーで見えるリンパ浮腫 ― 評価と分類のポイント
リンパ浮腫は、 リンパ管系の形成異常や機能障害 によって、皮膚や皮下組織にリンパ液が貯留することで生じます。皮膚や皮下の厚みが増し、構造が変化していくのが病態の特徴です。腕や脚がむくみ、皮膚の硬さや張りが出ることが多く、 完治が難しい慢性的な疾患...
10月11日読了時間: 3分


在宅医療における認知症について45~認知症の精神症状とその対応
〜性格のせいにせず、関係の中で変わるBPSD〜 🧩 病前性格との関係 「もともと気が強かったから」「昔から頑固だったから」といった 病前性格 とBPSD(行動・心理症状)を結びつけて考えることがありますが、実は 明確な因果関係は証明されていません 。...
10月10日読了時間: 4分


在宅医療における認知症について44~家族・介護環境の調整 〜BPSDがこじれる典型的パターン〜
うつ症状やBPSD(認知症の行動・心理症状)に対して、 断酒・減薬・身体疾患の治療・非薬物療法 など、医学的にできることをすべて行っても、それでもなお 精神症状が残る ことがあります。 その場合に必要になるのが、 家族・介護環境の調整 です。場合によっては、医学的介入と...
10月9日読了時間: 3分


在宅医療における認知症について43~うつ病治療 — 「まず脳を休ませる」からはじめる
身体疾患・薬剤・飲酒 などを除外しても改善しない場合は、 うつ病治療 に進みます。高齢者(65歳以上)では ベンゾジアゼピン受容体作動薬に頼らず 、**“脳の休息=質の高い自然な睡眠”**を最優先に整えることが基本です。 ポイント...
10月8日読了時間: 4分


在宅医療における認知症について42~65歳以上で「うつ状態」が疑われたら
〜安易な薬処方の前に確認すべきポイント〜 高齢者が「気分が沈む」「意欲が出ない」「眠れない」などの うつ状態 を訴えたとき、すぐに「うつ病」や「認知症」と決めつけるのは危険です。その背後には、 身体疾患や薬剤の影響 など、見逃してはいけない原因が潜んでいることがあります。...
10月7日読了時間: 4分
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