誤嚥性肺炎を科学する55~抗コリン作用をもつ薬剤や利尿薬は、唾液を減少させ口腔衛生を悪化させる可能性がある。減薬を検討し、難しい場合は機能的口腔ケアや口腔内保湿を行おう
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🦷 口腔ケア・嚥下リハビリ専門ブログ
第8章 ③ 薬剤 | 3つの工夫
悪

影響を及ぼす可能性のある薬(1)唾液編
唾液を減少させ、口腔衛生を悪化させるリスクのある薬剤を正しく理解しよう
# 唾液分泌# 口腔ケア# 抗コリン作用# 利尿薬# 高齢者医療# 薬剤リスク# 口腔保湿# 減薬
📅 2025年📖 口腔ケア・嚥下リハビリ🏷️ 薬剤・唾液・高齢者ケア
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▶ 抗コリン作用をもつ薬剤や利尿薬は、唾液を減少させ口腔衛生を悪化させる可能性がある。減薬を検討し、難しい場合は機能的口腔ケアや口腔内保湿を行おう
唾液はその方がもつ食べる機能を十分に発揮するために欠かすことができないものです。唾液の作用には、抗菌作用・粘膜保護作用(湿潤作用)・自浄作用といった感染防御にかかわる作用と、潤滑作用といった運動機能にかかわる作用があります。
つまり唾液が減少するような副作用のある薬剤は、このような唾液の作用を減弱させる可能性をもっています。口腔内が乾燥しやすい方で、唾液が減少する可能性のある内服薬を連日服用している場合は、減薬できないかよく検討すべきです。
抗コリン作用
唾液分泌は自律神経によってコントロールされています。抗コリン作用をもつ薬剤は、この外分泌能に抑制的にはたらきます。代表的なものは、過活動膀胱に処方されることがある薬剤、古い世代の抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)、不眠症などに処方されることがあるベンゾジアゼピン系薬を代表とする向精神薬などで、高齢者が漫然と内服していることがあります。
詳しく抗コリン作用を検討したい方は、抗コリンリスクスケール(Anticholinergic Risk Scale)を参照してください。抗コリン作用の強弱が確認できます。
利尿薬
利尿薬は循環血液量を減少させ、唾液分泌量も少なくなることが知られています。利尿薬を服用している方は、唾液分泌量の低下を反映して、時に口渇を訴えます。
高齢者では唾液分泌が低下したからといって必ずしも口渇を自覚しませんので、口渇だけで唾液量減少を判断するのには注意が必要です。唾液が減少している症状(舌背の乾燥、食渣が多いなど)を呈している方で、利尿薬を服用中の場合は、減量が可能かどうかを総合的に判断していく必要があります。
減薬ができない場合は、唾液腺マッサージを含む機能的口腔ケアや頻回の保清を行い、口腔内保湿を心がけるようにしましょう。
📋 表8-1|抗コリンリスクスケール(Anticholinergic Risk Scale)
3点(最強リスク)
2点(強リスク)
1点(中リスク)
トリプタノールアミトリプチリン塩酸塩
アトロピンアトロピン硫酸塩水和物
トフラニール®イミプラミン塩酸塩
ポラキス®オキシブチニン塩酸塩
ポラミン®ほかクロルフェニラミン
コントミン®クロルプロマジン
ペリアクチンシプロヘプタジン塩酸塩水和物
コランチル合剤ジサイクロミン塩酸塩・乾燥水酸化アルミニウムゲル・酸化マグネシウム
レスタミンコーワジフェンヒドラミン塩酸塩
テルネリン®チザニジン塩酸塩
アタラックス®ヒドロキシジン
ロートエキスヒヨスチアミン、スコポラミン
フルメジン®フルフェナジンマレイン酸塩
ピレチア®プロメタジン塩酸塩
ピーゼットシー®
シンメトレル®アマンタジン塩酸塩
ジプレキサ®オランザピン
タガメット®シメチジン
ジルテック®セチリジン塩酸塩
デトルシトール®酒石酸トルテロジン
ノリトレン®ノルトリプチリン塩酸塩
リオレサール®バクロフェン
ノバミン®プロクロルペラジン
ロペミン®ロペラミド塩酸塩
クラリチン®ロラタジン
クロザリル®クロザピン
コムタン®エンタカポン
ネオドパストン®合剤
セロクエル®クエチアピンフマル酸塩
エフピー®セレギリン塩酸塩
デジレル®トラゾドン塩酸塩
セレネース®ハロペリドール
パキシル®パロキセチン塩酸塩水和物
ビ・シフロール®プラミペキソール塩酸塩水和物
レメロン®ミルタザピン
ロバキシン®メトカルバモール
プリンペランメトクロプラミド
ザンタック®ラニチジン塩酸塩
リスパダール®リスペリドン
💡 減薬が難しい場合の口腔ケア対応
1
機能的口腔ケア:唾液腺マッサージを含むケアで分泌を促進する(26〜31ページ参照)
2
頻回の保清:口腔内の清潔を維持するため、こまめな口腔ケアを実施する
3
口腔内保湿:保湿ジェルや保湿スプレーを活用して口腔乾燥を防ぐ(24〜25ページ参照)
4
観察のポイント:口渇の訴えがなくても、舌背の乾燥・食渣の残留など客観的サインを見逃さない
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参考文献:
Rudolph JL, Salow MJ, Angelini MC, et al : The Anticholinergic Risk Scale and Anticholinergic Adverse Effects in Older Persons. Archives of Internal Medicine 168(5): 508-513, 2008.




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