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誤嚥性肺炎を科学する50~ポジショニングの工夫──安全な嚥下姿勢と日中離床で誤嚥リスクを下げる

  • 3月16日
  • 読了時間: 3分

#ポジショニング#摂食嚥下障害#誤嚥性肺炎#日中離床#廃用症候群予防#頸部前屈位#リクライニング#日内リズム#在宅ケア#要介護高齢者

ポジショニングの工夫──安全な嚥下姿勢と日中離床で誤嚥リスクを下げる


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ポジショニング(座り方、リクライニング、頸部前屈位)をケアして、飲み込みに安全な姿勢をつくろう

ポジショニングケア・日中離床に取り組んで、筋萎縮や廃用症候群の予防、日内リズムの乱れを予防しよう

「摂食嚥下障害の方のポジショニングは重要だ」とよく聞きます。ポジショニング=姿勢調整であり、食べるときに必要な3種類の姿勢調整(座り方・リクライニング・頸部前屈位)が含まれます。また、食事場面に限らず日中も同様に配慮が必要です。

ポジショニングケアの3つの目的

🍚

食物・唾液を飲み込む最も安全な姿勢をとる

💪

臥床に伴う筋萎縮・廃用症候群を最小限にする

🌤️

臥床に伴う日内リズムの乱れを予防する

特に、自分で臥床した状態から起き上がることができない要介護高齢者へのポジショニングケアは、ケア提供者が計画しないと実施できません。責任感をもってケアにあたってください。

飲み込みに安全な姿勢づくり

誤嚥・窒息のリスクを最小限にするためには、以下のすべてに注意します

  • バランスよく座る

  • 腹圧が上昇しないように座る

  • 呼吸筋をリラックスさせるように座る(必要に応じて背もたれを使用)

  • 軽くあごを引く(頸部前屈位)──嚥下しやすくする

前後左右のバランスが悪いと、飲み込みに使う筋肉の片側に緊張が増し、摂食嚥下運動がスムーズに行いにくくなります。あごが上がった姿勢では「ゴクン」と飲み込む際の喉頭(喉ぼとけ)を持ち上げる運動がしにくくなります



食べるとき以外にも唾液や分泌物・貯留物を飲み込みますので、食事場面以外の日中も同様の姿勢を心がけてください

筋萎縮や廃用症候群の予防

臥床していると頭の重さを首や体幹は支えていません。ポジショニングをとることで、頸部筋だけでなく起立筋(脊柱周囲の多裂筋)も頭や体幹・腕の重さを支え、倒れないよう微調整しながら働きます。

「要介護だから……」「病気だから……」と日中に臥床させておくのが当然と思っていませんか? 漫然と臥床させてしまうことが、誤嚥性肺炎のリスクになっている・回復を悪くしている・食べる機能を悪化させていると思ってください

日内リズムの乱れを予防

せん妄や不穏状態、便秘や食欲不振は、日内リズムの乱れとも関連しています。ポジショニングをとって日中起床することで日内リズムの調整を計画しましょう。

⚠️ 注意:鎮静薬の副作用

ポジショニングケア・日中起床に取り組まず、せん妄や不穏状態に対して薬物に頼って鎮静を行っていませんか? 鎮静薬は嚥下運動を緩慢にしたり、意識レベルが低下したり、唾液分泌量が減少したりする副作用を引き起こす可能性があります。適切なケアが行われていないことで、誤嚥性肺炎のリスクを高めている例です。

まとめ

ポジショニングは「食事時だけ」ではありません。日中の姿勢管理・離床を継続的に行うことが、安全な嚥下・廃用予防・日内リズム維持につながります。ケア提供者が積極的に計画・実施しましょう。

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