認知症は治せるか~認知症治療の羅針盤18~家族性アルツハイマー病(ADAD)とアミロイドPETの落とし穴—— 遺伝性ADの特徴と最新の画像診断を解説
- 2 日前
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アルツハイマー病(AD)の多くは「孤発性」ですが、APP・PSEN1・PSEN2の3つの原因遺伝子の変異による遺伝性ADが存在します。これらはいずれもアミロイドβ(Aβ)産生に関わる遺伝子であり、常染色体顕性遺伝(優性遺伝)形式をとります。「家族歴のあるAD」との混同を避けるため、ADAD(Autosomal Dominantly Inherited Alzheimer's Disease:常染色体顕性遺伝性AD)と表記されることが多いです。



ADADの臨床的特徴——孤発性ADとの違い
ADADの認知機能障害は孤発性ADと同様に、初期からエピソード記憶の喪失や記憶の再生・再認の障害がみられます。一方でDIAN観察研究(Dominantly Inherited Alzheimer Network)によれば、ADADには孤発性ADよりも多い特徴的な違いがあります。





また現在、ADADの未発症保因者を対象とした予防的介入研究(DIAN-TU・API)において、疾患修飾薬による発症予防効果の検証が進められており、今後の根本治療薬の実用化が期待されます。


2023年7月にレカネマブ(抗アミロイドβ抗体薬)が米国FDA・同年12月に日本でも承認され、レカネマブ投与前にアミロイドβ凝集体の存在を確認するためのアミロイドPETが公的医療保険の適用となり、臨床利用が急速に進んでいます。
アミロイドPETは神経細胞外に沈着した不溶性アミロイドβ凝集体(老人斑)を画像化するものです。現在利用可能な薬剤は¹¹C-PiB・¹⁸F-florbetaben・¹⁸F-flutemetamol・¹⁸F-florbetapir・¹⁸F-NAV4694の5種類です。

家族性AD(
アミロイドPETの2つの落とし穴
以下の2つの非典型的な症例は、アミロイドPETの結果のみに頼った診断がいかに危険かを示しています。













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