認知症について家族へ向けて12~「音が遮れない、集中できない」それは脳の注意機能の障害かもしれません
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認知症・脳の健康
「音が遮れない、集中できない」それは脳の注意機能の障害かもしれません

賑やかな場所での会話が聞き取れない、救急車のサイレンが気になって話に集中できない、複数のことを同時にこなせない……。そんな「困りごと」は、脳の注意機能の障害が原因かもしれません。このブログでは、認知症や脳機能の低下に伴う具体的な症状と、その背景にある仕組みを分かりやすく解説します。
「カクテルパーティー効果」が失われるとき
「カクテルパーティー効果」という言葉をご存知でしょうか。騒がしいパーティーのような環境でも、遠くの人の会話に自分の名前が出ると妙に聞こえる——そんな脳の働きのことです。
人には本来、自分が必要な情報に特別な注意を向けて集中する能力が備わっています。しかし、認知症などによってこの機能が損なわれると、不要な声や音もすべて同じように耳に入ってきてしまいます。

実体験
町内会で会長がマイクを使って話している最中、隣の人たちがヒソヒソ話を始めました。声の大きさは明らかにマイクの方が大きいのに、隣の人たちの話が次々と耳に入り、目の前の会長の大切なお知らせが全く聞き取れなくなってしまったのです。
主な心身機能障害とその症状
以下に、注意機能の低下によって日常生活で起こる代表的な困りごとをまとめました。


聞くべき音・見るべきモノに集中できない
駅のアナウンスが聞こえない、運転中に信号を見落とす、ネット予約で日付を間違えるなど。
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複数のことを同時に実行できない
レジで複数のことを言われると混乱する、話を聞きながらメモが取れない、会話に追いつけない。
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頭と身体が短時間で疲れやすい
午前の仕事が終わると動けなくなる、数ページ本を読んだだけで頭が疲れてしまう。
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視覚・聴覚・嗅覚が敏感になる
蛍光灯が目に刺さるように感じる、電車内の匂いが耐えられない、館内放送で疲れてしまう。
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特定のモノ・コトに固執し注意を切り替えられない
救急車のサイレンが通り過ぎた後もずっと頭から離れない、相手の口元を見ていると声が聞こえなくなる。
その他の関連する困りごと
出先で忘れ物が多い、傘をさしながら歩くのが難しい、横断歩道を青信号のうちに渡りきれない、周囲に注意を払って歩くのが困難など。
なぜ集中して聞けなくなるのか
私たちの脳は五感から入る大量の情報の中から、注意するものと注意しないものを選択・切替・持続・抑制することで生活しています。この「注意」の機能が低下すると、以下のような問題が起きます。
1注意の選択・切替が難しい
聞こうとしていない声や音がすべて同じ強さで耳に入り、必要な情報を選び取れなくなります。
2注意の分配が難しい
話を聞きながらメモを取るなど、2つのことを同時にこなせなくなります。話を聞こうとすると手が止まり、書こうとすると話についていけなくなる——まるで制御不能な暴走車を運転しているような感覚です。
3感覚の過敏化
本来は無意識にフィルタリングされていた光・音・匂いが、強烈な刺激として脳に届くようになります。カフェの蛍光灯が「目に突き刺さる」ほど眩しく感じたり、救急車のサイレンが去った後もずっと耳に響き続けたりします。

ご本人・ご家族の方へ
「なんとなく聞こえていない」「集中力がない」と片付けていた困りごとが、実は脳の機能低下から来ている場合があります。早期に専門家に相談することで、環境調整やリハビリ、適切なケアに繋げることができます。一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。
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