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攻めの栄養療法を科学する61~

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 2 日前
  • 読了時間: 2分

「経口摂取が難しい」「点滴だけで十分な栄養が摂れるのか不安」といった課題に対し、強力なバックアップとなるのが**中心静脈栄養(TPN)**です。今回は、当院が実践する「攻めのTPN設計」について詳しく解説します。

1. 「攻めのTPN」を開始するタイミング

通常、TPNは「2週間以上腸管が使えない場合」に適応とされますが、「攻めの栄養療法」ではその期間にこだわる必要はありません。

  • 早期開始のメリット: 末梢点滴(PPN)では必要エネルギーが満たされない場合、その不利益(低栄養の進行)を避けるため、より早期にTPNへ切り替えることが推奨されます。

  • 水分制限がある場合: TPNはPPNよりも少ない水分量で高エネルギーを投与できるため、心不全や腎不全などで水分負荷を抑えたい症例にも非常に有用です。

2. 理想的な処方設計:NPC/N比の重要性

市販のTPNキット製剤(エルネオパNF等)をそのまま使用するだけでは、糖質が過剰になり、肝心のたんぱく源(アミノ酸)が不足してしまう懸念があります。

  • NPC/N比の最適化: 当院では、アミノ酸製剤(アミゼットB)や脂肪乳剤(イントラリポス)を適切に組み合わせることで、NPC/N比を150以下に抑えたバランスの良い処方設計を行っています。

  • アミノ酸強化: 侵襲(手術や感染症)が加わっている症例には、アミノ酸を増量したセット処方を選択します。

3. 当院のTPNセット処方例

患者様の活動量や病態に合わせ、1,200kcalから2,250kcalまで幅広いラインナップを準備しています。

名称

エネルギー (kcal)

アミノ酸 (g)

脂質 (g)

特徴

TPN1200

1,180

50

20

標準的な補完栄養に

TPN1650 (アミノ酸強化)

1,708

82

40

たんぱく質をしっかり補給したい時に

TPN1650 (水分制限)

1,640

60

40

少ない水分量で高カロリーを維持

4. 目指すは「可及的早期の離脱」

TPNは非常に強力な栄養法ですが、最終的な目標は経口摂取への復帰です。

食事摂取が不足している原因を究明・解消しながら、補完的中心静脈栄養(SPN)として活用し、一刻も早く「口から食べる喜び」を取り戻せるようサポートいたします。

在宅でのTPN管理も「さくら在宅クリニック」にお任せください

重留様のように、中心静脈栄養を継続しながら在宅や施設で過ごされる患者様に対し、私たちは医学的根拠に基づいた最適な処方設計と管理を提供いたします。

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