在宅医療を科学する35~浮腫を伴う高齢女性の関節痛
- 4 時間前
- 読了時間: 2分

― 「痛み」だけを診てはいけない ―
肩関節周囲炎で大学病院に通院されていた高齢女性。
しかし、初診時に私たちが目にしたのは、
全身の痛みそして四肢の著明な浮腫
通院が困難となり、往診依頼となりました。
浮腫+関節痛は何を意味するのか?
高齢者の関節痛はよくある症状です。しかし、
四肢の著明な浮腫
全身のこわばり
多関節痛
日常生活動作(ADL)の急激な低下
これらが重なる場合、単なる「肩関節周囲炎」では説明できないことがあります。
高齢発症の炎症性疾患を疑う
このようなケースでは、以下の疾患を鑑別に挙げます。
リウマチ性多発筋痛症(PMR)
高齢発症関節リウマチ
RS3PE症候群
甲状腺機能異常
心不全や低栄養に伴う浮腫
特に
RS3PE症候群(Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema)
は、高齢者に多く、
✔ 両側対称の手足の浮腫✔ 急激な発症✔ 強い炎症反応✔ ステロイドへの著効
という特徴があります。
「通院困難」は重要なサイン
在宅医療では、
「通えなくなった理由」
が非常に重要です。
痛みが強いのか体力が落ちたのか浮腫で歩けないのか抑うつ状態なのか
通院困難の背景には、疾患の進行や新規疾患の発症が隠れていることがあります。
在宅医療でできること
往診では、
全身の視診・触診
浮腫の性状評価(圧痕性かどうか)
関節腫脹の確認
心音・呼吸音の評価
必要に応じた血液検査
を迅速に行います。
適切に診断がつけば、少量ステロイドで劇的に改善することもあります。
「もう歩けないかもしれない」と思われていた方が、数日で自力歩行可能になることもあります。
痛みの裏にある“炎症”を見逃さない
高齢者の痛みを
「年のせい」「使いすぎ」
で済ませてしまうことは危険です。
特に
急な浮腫
両側性
全身症状
がある場合は、炎症性疾患を疑う視点が必要です。
まとめ
浮腫を伴う関節痛は、
単なる整形外科疾患ではない可能性があります。
在宅医療は、“動けなくなった理由”を診る医療です。
痛みの背景にある病態を見極め、生活を取り戻すサポートをしていきます。
#在宅医療#往診#高齢者医療#関節痛#浮腫#RS3PE#リウマチ性多発筋痛症#高齢発症関節リウマチ#炎症性疾患#通院困難#湘南在宅医療#さくら在宅クリニック




コメント