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在宅医療を科学する21~高齢者の「遅発性パラフレニー」とは?認知症との違いや治療法

  • 18 分前
  • 読了時間: 2分
「最近、一人暮らしの母が『近所の人が悪口を言っている』と怯えるようになった」「認知症かと思ったが、身の回りのことはしっかりできている……」
「最近、一人暮らしの母が『近所の人が悪口を言っている』と怯えるようになった」「認知症かと思ったが、身の回りのことはしっかりできている……」

高齢の方にこのような症状が見られた場合、それは「遅発性パラフレニー(Late-Onset Paraphrenia)」かもしれません。今回は、聞き馴染みのない方も多いこの疾患について解説します。

遅発性パラフレニーとは?

遅発性パラフレニーは、60歳以降に発症する統合失調症によく似た疾患です。かつては高齢者特有の精神病として分類されていました。

主な特徴は以下の通りです。

  • 妄想と幻聴が中心: 「誰かに嫌がらせをされている(被害妄想)」「自分に関係のないことまで自分に関係があると思い込む(関係妄想)」といった症状や、周りに誰もいないのに声が聞こえる幻聴が主体となります。

  • 認知機能は保たれる: 認知症と異なり、記憶力や判断力、身の回りの自立度(ADL)は比較的保たれているのが特徴です。

  • 幻視は少ない: レビー小体型認知症などで見られる「虫が見える」といった幻視はあまり見られません。

どのような人に多い?

統計的には、孤立傾向にある高齢の女性に多く見られる傾向があります。耳が遠くなるなどの感覚器の衰えや、社会的な孤立が発症の背景に関係していると考えられています。

認知症(BPSD)との見分け方

「物忘れ」や「徘徊」といった認知症の症状と混同されやすいですが、適切な治療のためには識別が非常に重要です。

  • MRI検査: 脳の萎縮の程度を確認し、脳血管障害やアルツハイマー型認知症の可能性を精査します。

  • 心理検査: 記憶力や思考のプロセスを確認し、精神疾患なのか認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)なのかを判断します。

治療とサポート

治療は「お薬」と「環境づくり」の両輪で行います。

  1. 抗精神病薬(少量): 妄想や幻聴を和らげるために、ごく少量の抗精神病薬を使用します。高齢者の場合は副作用が出やすいため、慎重に調整を行います。

  2. 社会的支援・訪問医療: 孤立が原因の一つとなるため、介護保険サービスの利用や訪問医療を通じて、社会との接点を保つことが非常に有効です。

まとめ

「高齢者の被害妄想=認知症」とは限りません。正しく診断し、適切な医療とケアにつなげることで、ご本人もご家族も穏やかな生活を取り戻すことができます。気になる症状があれば、まずは専門医へご相談ください。


 
 
 

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