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在宅医療を科学する17~失禁関連皮膚炎(IAD)はどうして起こる?発生のメカニズムを詳しく解説

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 33 分前
  • 読了時間: 2分

日々のスキンケアにおいて、おむつを使用されている方に避けて通れない課題のひとつが**IAD(失禁関連皮膚炎)**です。今回は、添付の図解「IAD発生メカニズム」に基づき、なぜ皮膚障害が起こるのか、そのプロセスを分かりやすく解説します。

IAD発生の3つの大きな要因

IADは、単一の原因ではなく、複数の要素が重なり合って発生します。

  1. おむつ内の過酷な環境:おむつを使用することで、皮膚は常に「高温多湿」の状態にさらされます。

  2. 化学的刺激:排泄物(便や尿)に含まれる成分による刺激です。

  3. 機械的刺激:おむつや洗浄時の「摩擦・ずれ」による物理的なダメージです。

皮膚がダメージを受けるステップ

画像では、健康な皮膚が炎症に至るまでのドミノ倒しのようなプロセスが示されています。

  • 浸軟(ふやけ)とバリア機能の低下:高温多湿環境で皮膚がふやけると、外部刺激から身を守る「皮膚バリア機能」が障害されます。

  • pHの上昇と細胞の損傷:バリアが弱まった状態で便や尿の化学的刺激を受けると、皮膚のpHが上昇し、角化細胞が損傷してしまいます。

  • 炎症の連鎖:細胞が傷つくと「サイトカイン」が放出され、炎症が起こります。さらに「ヒスタミン」が遊離されることで炎症が段階的に増加し、目に見える皮膚障害へと進行します。

放置するとどうなる?現れる症状

炎症が悪化すると、以下のような深刻な症状を招く恐れがあります。

  • びらん・にじみだし:皮膚の表面が欠損し、体液が漏れ出す。

  • 浮腫・発赤・小水疱:赤く腫れ上がり、小さな水ぶくれができる。

  • 感染症の合併:バリア機能が壊れた部位から、緑膿菌や真菌(カビ)などの菌が侵入しやすくなります。

まとめ

IADを防ぐためには、まずはこのメカニズムを理解し、「ふやけさせない」「刺激を遠ざける」ケアが重要です。適切なスキンケア製品の選択や、こまめな環境調整を心がけましょう。

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