在宅医療における認知症について23~抗認知症薬を選ぶときの考え方
- 賢一 内田
- 6 時間前
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抗認知症薬は大きく分けて
コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル・ガランタミン・リバスチグミン)
NMDA受容体拮抗薬(メマンチン)の2種類があります。
それぞれの効果に大きな差はないため、選ぶ際には 副作用のリスクや薬価(費用) などが重要な判断材料になります。
既往症による選び方
薬の「安全性プロファイル(副作用リスク)」は薬ごとに少し違います。
消化性潰瘍の既往がある方 → コリンエステラーゼ阻害薬は潰瘍再発リスクがあるため使いにくい。 → この場合、中等度~高度アルツハイマー病であれば メマンチン を選ぶのが合理的です。
薬価(費用)の観点
有効性が大差ない以上、イギリスのNICE(国立医療技術評価機構)は「薬は安い順に選ぶべき」と明確に指針を出しています。一方、日本では薬価を基準に選ぶことを厚労省が推奨していません。
しかし実際には、2018年時点で最も安いのは 後発品(ジェネリック)があるドネペジル です。そのため、費用面から考えると第一選択薬は ドネペジル(ジェネリック) と言えるでしょう。
抗認知症薬の基本データ(表3より)
一般名 | 商品名 | 発売年 | 適応 | 特徴 |
ドネペジル | アリセプト / ドネペジル(ジェネリック) | 1997年 | 軽度~高度アルツハイマー病 / レビー小体型認知症 | 唯一、全ステージとレビー小体型認知症に使える。後発品あり。 |
ガランタミン | レミニール | 2011年 | 軽度~中等度アルツハイマー病 | 1日2回投与が必要。 |
リバスチグミン | リバスタッチパッチ / イクセロンパッチ | 2011年 | 軽度~中等度アルツハイマー病 | 唯一の貼り薬。 |
メマンチン | メマリー | 2011年 | 中等度~高度アルツハイマー病 | コリンエステラーゼ阻害薬と併用可能。 |
まとめ:薬選択アルゴリズム
アルツハイマー病・レビー小体型認知症で幅広く使える → ドネペジル(ジェネリック)
飲み薬が苦手 → リバスチグミン(貼り薬)
胃潰瘍など消化器リスクがある → メマンチン
軽度~中等度で1日2回投与も可能 → ガランタミン
👉 つまり、基本は ドネペジルを第一選択薬 とし、個別の事情に応じて他の薬を検討する流れになります。
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