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逗子、葉山、鎌倉、横須賀、横浜市金沢区の在宅医療

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在宅医療を科学する5~治療と在宅での方針
―「治す医療」から「付き合う医療」へ― これまでご紹介してきた 難治性蜂窩織炎・静脈うっ滞性皮膚潰瘍の症例 では、「どの治療を選ぶか」以上に、 どの姿勢で関わるか が重要なテーマとなりました。 今回は、 在宅診療における治療方針と考え方 を整理します。 ■ 治療方針の基本 静脈うっ滞性皮膚潰瘍に対して、 漫然とした保存療法のみでは改善は困難 です。 本症例では、以下を治療の柱としました。 1.持続的な圧迫療法 弾性包帯・弾性ストッキングを用いた 継続的圧迫 静脈還流を促進し、浮腫を軽減 感染再燃・滲出液増加の予防につながる 2.患肢挙上の徹底 日常生活の中で**「足を下げっぱなしにしない」** 下肢静脈圧を下げる最もシンプルで効果的な方法 3.外用療法の最適化 肉芽形成の状態 滲出液量 に応じて外用薬・被覆材を選択。「とりあえず同じ薬を塗り続ける」ことは避けます。 4.感染防止と衛生維持を最優先 潰瘍を「完全に閉じる」ことより 感染を起こさせないこと を最重要視 ■ 在宅診療での姿勢 在宅医療では、 限られた医療資源の中でQOLを守る という視点
1月30日読了時間: 2分


攻めの栄養療法を科学する57~半固形栄養剤を用いた「攻めの栄養療法」
― 短時間・高エネルギー投与を安全に成立させる ― 半固形栰養剤を使用する場合は、 口径の大きい胃瘻アクセス を使用することが前提となります。半固形栄養剤には、以下のような明確なメリットがあります。 胃食道逆流の予防 短時間での投与が可能 下痢の予防 消化管の より生理的な動き を保ちやすい 近年では、半固形栄養剤を用いた 自然滴下法 や 加圧バッグによる短時間注入 が、在宅・施設の現場でも広く浸透してきています。 半固形栄養剤使用時の注意点 半固形栄養剤には 高粘度タイプ の製剤があり、 瘻孔からの漏れ防止 胃蠕動運動の促進 逆流防止 といった点で大きなメリットがあります。 一方で、 粘度が高いため 加圧バッグの使用や絞り出す労力 が必要 栄養剤自体の水分量が少ないため、 水分補充を別途行う必要がある という点には注意が必要です。 水分補充のタイミングとしては、 食前30分 食後2時間 などを目安に検討します。また、逆流リスクが高い症例では、 水分にもとろみを付けた方が安全 な場合があります。 半固形栄養剤の投与例(高粘度タイプ) 【投与方法
1月28日読了時間: 3分


攻めの栄養療法を科学する56~攻めの投与方法
― 高エネルギーを「無理なく・安全に」入れる工夫 ― 高エネルギー投与を行う際、 1 kcal/mL の栄養剤のみを使用すると投与ボリュームが非常に大きくなる という問題があります。特に、 体格の小さい高齢者 胃食道逆流や誤嚥リスクの高い患者 では、そのままでは投与が困難となることも少なくありません。 以下では、 必要エネルギー量:2600~3000 kcal 必要たんぱく質量:60~120 g 必要水分量:1800~2000 mL 1回注入量:約500 mL を想定した、 攻めの投与の実践例 を示します。 液体栄養剤による攻めの投与 ① 間欠投与(ボーラス投与) 基本的な考え方 胃の排泄時間を考慮し、 まず水を投与 20〜30分の間隔をあけて 高濃度栄養剤を注入 不足する水分は、 就寝前や注入間で追加投与 この方法は、 高価な栄養剤を使用せずに実施可能 であり、👉 攻めの栄養療法における 第一選択 として対応しやすい方法です。 【投与方法①】標準的な攻めの間欠投与 水 150 mL 20〜30分後 アイソカル® 2K(1000 kcal/50
1月27日読了時間: 3分


在宅医療を科学する2~難治性蜂窩織炎の経過と初診時画像
―「治らない蜂窩織炎」の背景にあるもの― 今回は、 難治性蜂窩織炎 と診断された女性の症例について、 初診時および経過中の皮膚所見 を中心に、在宅医療の視点からまとめます。 ■ 搬送後も改善しなかった経過 本症例では、医療機関へ搬送された後も、 約2か月間にわたり病状の明らかな改善を認めませんでした。 抗菌薬治療は行われていたものの、 局所の皮膚障害が遷延 浮腫の持続 滲出液のコントロール不良 といった問題が残存していました。 ■ 初診時の皮膚所見 初診時、 下腿前面に広範な潰瘍形成 を認め、局所には 滲出液を伴うびらん がみられました。 単なる蜂窩織炎というよりも、 慢性的な皮膚バリア破綻 浮腫・循環障害の関与 創傷治癒環境の不良 が強く疑われる状態でした。 ■ 約1か月後の変化 治療介入とスキンケアの継続により、 約1か月後には足底部のびらんに痂皮形成 が認められるようになりました。 これは、 滲出液が一定程度コントロールされた 皮膚の再上皮化が進み始めた ことを示す所見であり、**「治癒に向かうサイン」**と評価できます。 一方で、完全な改
1月26日読了時間: 2分


在宅医療を科学する1~難治性蜂窩織炎と診断された女性のケース
― 在宅医療の視点から考える早期介入と継続支援 ― 今回は、 難治性蜂窩織炎 と診断された女性のケースを通して、在宅医療の現場で直面しやすい課題と、その対応についてご紹介します。 ■ 病歴の概要 本症例は、 医療機関を受診しないまま老夫婦で生活 されていた女性です。下肢に潰瘍が出現したものの、息子さんが受診を勧めても ご本人は受診を強く拒否 していました。 その後、状態悪化により搬送され、 蜂窩織炎 と診断。以下のような治療・対応が行われました。 抗生剤投与および抗菌外用剤による治療 PAD(末梢動脈疾患) の関与も考慮し、抗血小板薬を併用 下肢浮腫に対して利尿薬を使用 糖尿病なし、喫煙歴なし いわゆる「典型的なリスク因子」が乏しい一方で、 受診遅れ・生活背景 が重なり、治療に難渋したケースといえます。 ■ なぜ難治化したのか? この症例で重要なのは、病気そのものだけでなく、 社会的・心理的背景 です。 医療機関未受診の期間が長かった 高齢夫婦のみの生活で、外部の目が入りにくかった 本人の「受診拒否」という強い意思 これらが重なり、 感染の早期発
1月25日読了時間: 2分
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