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逗子、葉山、鎌倉、横須賀、横浜市金沢区の在宅医療

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在宅医療を科学する35~浮腫を伴う高齢女性の関節痛
― 「痛み」だけを診てはいけない ― 肩関節周囲炎で大学病院に通院されていた高齢女性。 しかし、初診時に私たちが目にしたのは、 全身の痛み そして 四肢の著明な浮腫 通院が困難となり、往診依頼となりました。 浮腫+関節痛は何を意味するのか? 高齢者の関節痛はよくある症状です。しかし、 四肢の著明な浮腫 全身のこわばり 多関節痛 日常生活動作(ADL)の急激な低下 これらが重なる場合、単なる「肩関節周囲炎」では説明できないことがあります。 高齢発症の炎症性疾患を疑う このようなケースでは、以下の疾患を鑑別に挙げます。 リウマチ性多発筋痛症(PMR) 高齢発症関節リウマチ RS3PE症候群 甲状腺機能異常 心不全や低栄養に伴う浮腫 特に RS3PE症候群(Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema) は、高齢者に多く、 ✔ 両側対称の手足の浮腫✔ 急激な発症✔ 強い炎症反応✔ ステロイドへの著効 という特徴があります。 「通院困難」は重要なサイン 在宅医療では、 「通
3月2日読了時間: 2分


在宅医療を科学する34~在宅診療で命を救う「スナップ診断」:大動脈解離を見逃さないための3点チェック
在宅医療や往診の現場では、病院のような精密検査がすぐには行えません。しかし、致死的な疾患である「大動脈解離」の中には、病歴と「疑う目」さえあれば、その場で判断し迅速な対応につなげられるものがあります。 今回は、往診現場で実践すべきアクションプランと、診断のポイントをまとめます。 1. 反射的に確認すべき「3点セット」 大動脈解離を疑う場合、まずは以下の3項目を即座にスクリーニングします。 突然発症の「裂けるような痛み」 : 胸背部から肩甲間部、顎や腹部へと移動するのが特徴です。 胸部X線での縦隔(じゅうかく)陰影の拡大 : 立位での縦隔幅が 8cm を超えているかを確認します。 左右上腕の血圧差(20 mmHg以上) : 両腕で同時に、または連続して血圧を測定します。 2. 在宅X線(レントゲン)撮影のコツ 現場での画像判断を確実にするための「押さえどころ」は以下の通りです。 基準画像(コントロール)を作っておく : 初診時にベースラインのX線を1枚撮影しておくことで、将来の急変時に比較が可能になり、見逃しを減らせます。 臥位(ねころんだ状態)
3月1日読了時間: 2分


在宅医療を科学する33~在宅診療の現場で「大動脈解離」をどう見抜くか?命を救うアクションプラン
在宅診療において、大動脈解離は「見た瞬間」に分かる症例もあれば、詳細な病歴と「疑う目」がなければ簡単に見逃してしまう症例もあります。限られた機材の中で迅速に判断を下すための、実戦的なスクリーニングとアルゴリズムを解説します。 1. 疑うべき「3項目」即時スクリーニング 往診現場で以下の臨床サインを確認した場合、大動脈解離の可能性を強く疑う必要があります。 突然発症の「裂けるような痛み」 : 胸背部から肩甲間部、頸部、顎、腹部へと痛みが移動することがあります。これまでにない激痛に加え、冷汗などの自律神経兆候を伴うのが特徴です。 左右上腕の血圧差(20 mmHg以上) : 腕頭動脈や鎖骨下動脈の狭窄でも起こり得ますが、胸背部症状を伴う場合は直ちに画像評価が必要です。 嗄声(させい:声のかすれ)や嚥下痛 : 上行大動脈から弓部にかけて縦隔が拡大し、反回神経を圧迫している兆候です。 陽性尤度比(LR+)による判断の確信度 上記3項目すべて該当: LR+ ≈ 66 (極めて高い確率で解離) 2項目該当: LR+ ≈ 5.3 2. 在宅X線(レントゲン)画
3月1日読了時間: 2分


在宅医療を科学する31~在宅・往診で見逃さない!大動脈解離を疑う「3つの即時スクリーニング項目」
在宅診療の現場では、病院のような精密な検査機器がすぐには使えません。しかし、致死的な「大動脈解離」の中には、 “見た瞬間”に診断がつく症例 がある一方で、 病歴と「疑う目」がなければ簡単に見逃してしまう症例 も存在します。 今回は、往診現場ですぐに実践できる「即時スクリーニング」の3項目を整理します。 大動脈解離を疑う3項目(在宅・往診用) 1. 突然発症の「裂けるような痛み」 最も重要なのは、痛みの「始まり方」と「移動」です。 発症様式 : 突然、何の前触れもなく激痛が走ります。 痛みの部位 : 胸背部だけでなく、肩甲間部、頸部、顎、腹部まで痛みが移動することがあります。痛みが「移動した」というエピソードは解離を強く疑わせます。 2. 胸部単純X線での「縦隔陰影の拡大」 ポータブルX線を使用できる場合、以下の指標を確認します。 立位での目安 : 縦隔幅が 8 cm を超えている場合。 臥位での代替指標 : 臥位では判別が困難なため、気管分岐部レベルで「椎体中央から大動脈陰影左縁までが 5 cm 以上 」であれば縦隔拡大陽性と判断します(この距
2月25日読了時間: 2分


在宅医療を科学する30~在宅診療で命を守る「スナップ診断」――大動脈解離を見逃さないためのポイント
在宅医療の現場では、病院のような大規模な検査機器がすぐには使えません。だからこそ、限られた情報から瞬時に重大な疾患を疑う「スナップ診断」が極めて重要になります。 今回は、見逃すと致命的になりかねない「大動脈解離」に焦点を当て、その見抜き方について解説します。 1. 症例から学ぶ:大動脈解離を疑うべき4つのサイン 急激な体調変化に対し、以下の症状が重なる場合は一刻を争います 。 胸を“掴まれる”様な強い痛み : 突然発症する強烈な胸痛は、大動脈解離の代表的な予兆です 。 冷汗 : 強い痛みやショック状態に伴う冷や汗は、緊急性の高さを示します 。 咽頭痛(のどの痛み) : 胸の痛みだけでなく、喉の奥に痛みを感じる場合もあります 。 嗄声(させい:声のかすれ) : 声がかすれる症状は、解離によって 反回神経麻痺 が起きている可能性を示唆する非常に重要なサインです 。 これらの症状が揃っている場合、在宅診療であっても大動脈解離を強く疑い、速やかな搬送判断が必要です 2. 胸部X線(レントゲン)で見抜く決定的な所見 往診時にレントゲン撮影を行った際、特に注
2月24日読了時間: 2分


在宅医療を科学する29~在宅診療で「大動脈解離」を見逃さないために。命を救う4つのサインと見抜き方
在宅医療の現場では、限られた検査環境で緊急事態を察知しなければなりません。なかでも 大動脈解離 は、一刻を争う疾患です。今回は、資料に基づき、その決定的な予兆と判断基準を解説します。 1. 症例から学ぶ「疑うべき4つのサイン」 大動脈解離を強く疑い、救急搬送を検討すべき患者さんには、共通の症状が現れることが資料により示されています。 胸を“掴まれる”ような強い痛み : 突然、強烈な痛みが襲います。 冷汗 : 激痛に伴い、体力を著しく消耗しているサインです。 咽頭痛(のどの痛み) : 胸の痛みだけでなく、喉の奥に痛みを感じる場合があります。 嗄声(させい:声のかすれ) : 最も注意すべきサインの一つです。 Shutterstock 2. なぜ「声のかすれ」が危険なのか 資料では、声のかすれ(嗄声)が大動脈解離の重要な診断材料として挙げられています。 大動脈が解離し、血管が膨らんだり出血したりすると、そのすぐ近くを通っている 反回神経(声を出すための神経)を圧迫します。これを反回神経麻痺 と呼びます。 「風邪によるのどの痛みや声枯れ」と安易に判断せず
2月23日読了時間: 2分


在宅医療を科学する28~臨床的示唆とまとめ
― 在宅医療におけるPDPsy(PD精神症状)への向き合い方 ― パーキンソン病(PD)の精神症状は、在宅診療の現場でしばしば遭遇します。幻視や妄想(FP:誤認・被害的解釈など)は一括りに語られがちですが、その背景は決して単純ではありません。 本稿では、臨床的示唆を整理します。 ① 幻視とFPは同じではない 幻視とFP(被害的解釈・妄想傾向など)は、 異なる神経経路・心理背景に基づく可能性 があります。 幻視 → 視覚処理系やREM睡眠関連ネットワークとの関連 FP → 解釈・意味付けの歪み、心理社会的背景の影響 同じ“精神症状”でも、介入アプローチは異なることを意識する必要があります。 ② FPは「洞察困難」で環境依存的 FPの特徴は、 ✔ 本人が症状と認識しにくい✔ 妄想化しやすい✔ 環境要因で変動する という点です。 照明、孤立、身体的不調、薬剤変動など、 小さな環境変化が症状を増悪させる ことがあります。 ③ 独居・社会的孤立はリスク因子 在宅現場では、 独居 会話機会の減少 昼夜逆転 不安の慢性化 がFPを助長することを多く経験します。
2月22日読了時間: 2分


在宅医療を科学する27~「誰もいないはずなのに、誰かの気配がする」――高齢期の不思議な感覚の正体とは?
こんにちは、さくら在宅クリニックです。 在宅診療の現場では、ご本人やご家族から「誰もいないはずなのに、すぐそばに誰かがいる気がする」「後ろに誰か立っているような感覚がある」といったお話を伺うことがあります。 これらは単なる気のせいではなく、医学的には「存在感覚(Feeling of Presence:FoP)」 や 「遅発性パラフレニー」といった言葉で説明される現象かもしれません。今回はスライド資料をもとに、その正体とメカニズムについて解説します。 1. 姿は見えないが「気配」を感じる「存在感覚(FoP)」 「他者の姿は見えないが、誰かが近くにいると強く感じる体験」を医学的に**存在感覚(FoP)**と呼びます。 主観的な体験 : 目に見えるわけではなく、「いる」と直感的に感じます。 なぜ起こるのか? : 脳の右半球の病変や、自己身体の情報を処理する領域(TPJ:側頭頭頂接合部、島皮質)の働きの乱れが関わっています。 関連する病気 : パーキンソン病(PD)などでみられることがあります。 対応のヒント : 十分な睡眠や安心できる環境づくりが、症状
2月21日読了時間: 3分


在宅医療を科学する26~「誰もいないはずなのに、誰かの気配がする」――高齢期の不思議な感覚の正体とは?
こんにちは。さくら在宅クリニックです。 私たちのクリニックでは、在宅療養をされている患者様やご家族から、「誰もいないはずなのに、近くに誰かがいる気がする」「後ろに誰か立っているような感覚がある」といったお話を伺うことがあります。 こうした体験は、決して「気のせい」や「怖い話」ではなく、脳の働きや環境の変化によって起こる医学的な現象です。今回はスライド資料をもとに、その仕組みを分かりやすく解説します。 1. 「存在感覚(Feeling of Presence)」:姿は見えないが気配を感じる 「他者の姿は見えないが、誰かが近くにいると感じる体験」を、医学的には存在感覚(Feeling of Presence)と呼びます。 なぜ起こるのか? :自分の体の感覚(身体表象)と、周囲の空間を把握する認知機能がうまくかみ合わず、その「ずれ」が原因で起こります。 脳の仕組み :右側の脳(側頭頭頂接合部や前頭前野など)の異常や、自分の体の意識(自己身体表象)の障害が関わっています。本来は存在しない「もう一人の自分」を外に感じてしまう現象とも言えます。 どんな時に現
2月20日読了時間: 3分


在宅医療を科学する24~「そこに誰かいる?」脳が作り出す不思議な体験:幻視と実在感(FP)の正体
こんにちは。さくら在宅クリニックです。 パーキンソン病やレビー小体型認知症の患者様から、「誰もいないはずなのに、そこに誰かが立っている」「後ろに誰か気配を感じる」といったお話を聞くことがあります。 これらは決して「気のせい」や単なる「認知症の進行」ではなく、脳の特定のネットワークの働きが変化することで起こる医学的な症状です。今回は、スライド資料をもとにそのメカニズムを解説します。 1. 「幻視」とは:実際にはないものがハッキリ見える体験 幻視(Visual Hallucination)は、実際には存在しないものを、あたかも「見えている」と確信する知覚体験です。 主な原因: 視覚系の異常活動や、目から入った情報を正しく統合できない障害によって生じます。 代表的な疾患: レビー小体型認知症(典型的で鮮明な人物幻視が多い)、パーキンソン病、加齢性視覚障害(シャルル・ボネ症候群)、あるいは薬剤(抗コリン薬、L-DOPA、ステロイドなど)の影響で起こることもあります。 2. 「存在感(Feeling of Presence)」とは:姿は見えないが気配を
2月19日読了時間: 3分


在宅医療を科学する24~「そこに誰かいる?」幻視と実在感(FP)の違いと脳のメカニズム
こんにちは。さくら在宅クリニックです。 パーキンソン病やレビー小体型認知症の患者様が、実際にはいないはずの「人」や「気配」を感じることがあります。これらは脳の働きの変化によって起こる症状であり、大きく分けて「幻視」 と 「実在感(FP)」の2つのパターンがあります。 今回は、それぞれの特徴と脳内で何が起きているのかについて解説します。 1. 「幻視」と「実在感(FP)」はどう違う? 患者様が「誰かいる」と訴えられた際、その体験の質によって以下のような違いがあります 。 比較項目 幻視 (Visual Hallucination) 実在感 (Feeling of Presence: FP) 訴えの内容 「孫の姿が見える」など具体的・鮮明 「誰かがいる気がする」という感覚 本人の洞察 実際には存在しないと理解している 実在を信じる傾向がある 主な行動 仏壇に手を合わせるなど冷静な対応 孫の布団を準備するなど、存在に固執した行動 感情の状態 恐怖を感じることは少ない 不安や緊張が強い 環境
2月18日読了時間: 3分


在宅医療を科学する23~「そこに誰かいる?」パーキンソン病の幻視と実在感(FP)の違いを知る
こんにちは。さくら在宅クリニックです。 パーキンソン病やレビー小体型認知症の患者様が、「知らない人が立っている」「誰かが後ろにいる気がする」といった、目に見えないはずのものを訴えられることがあります。 これらは単なる「気のせい」や「認知症の進行」だけではなく、脳の神経ネットワークが関係して起こる特有の症状です。「幻視」 と 「実在感(Feeling of Presence:FP)」の違いについて解説します。 1. 「幻視」とは:実際にはないものがハッキリ見える 幻視は、実際には存在しないものを、あたかも「見えている」と確信する知覚体験です。 視覚系の異常活動や、目から入った情報を正しく統合できない障害によって生じます。 主な原因疾患: レビー小体型認知症(典型的)やパーキンソン病、薬剤の影響(抗コリン薬など)。 脳の仕組み: 視覚情報を処理する「視覚連合野」の過剰な活動や、注意機能のネットワークの解離が関わっています。 2. 「幻視」と「実在感(FP)」の違い 「見える」という体験は、その鮮明さや本人の受け止め方によって大きく2つに分けられま
2月17日読了時間: 3分


在宅医療を科学する22
こんにちは。さくら在宅クリニックです。 今回は、意外と知られていない「お口の中の細菌」の実態と、それが全身の健康、特に誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)にどう関わっているかについて解説します。 1. 歯垢1gは「糞便」と同じ細菌数!? お口の中には数えきれないほどの細菌が住み着いており、常に増殖を続けています。 驚くべきことに、「歯垢(プラーク)1グラム中には、糞便1グラム中とほぼ同じくらいの細菌がいる」という説もあります。 手入れが不十分なお口の中には、なんと 100億個以上 の細菌が生息している可能性があるのです。 2. なぜ口腔ケアが「誤嚥性肺炎」を防ぐのか 誤嚥性肺炎は、お口の中の細菌が唾液や食べ物と一緒に誤って肺に入ってしまうことで起こります。 つまり、「お口の中の細菌数を減らすこと(口腔保清)」は、肺炎を未然に防ぐための非常に理にかなった対策なのです。 特に、以下の場所は細菌や汚れが溜まりやすいため、入念なケアが必要です: 歯垢が溜まりやすい場所 磨き残しが多い場所 食渣(食べかす)が溜まりやすい場所 舌の表面(舌背:ぜっぱい) 3.
2月16日読了時間: 2分


在宅医療を科学する20~パーキンソン病と向き合う:幻視への理解と、命を守る「お口のケア」
パーキンソン病(PD)といえば、手のふるえや歩きにくさといった「体の動き(運動症状)」がまず思い浮かぶかもしれません。しかし、実はそれと同じくらい、あるいはそれ以上に患者様やご家族を悩ませるのが、「幻視」や「認知機能の変化」といった目に見えにくい症状です。 今回は、パーキンソン病に伴うこれらの症状との向き合い方についてお話しします。 1. 実際にはないものが見える「幻視」と「気配感」 パーキンソン病の比較的早い段階から現れることがあるのが、 幻視 や 気配感 です。 幻視: 「部屋の隅に知らない人が立っている」「壁のシミが虫に見える」といった、実際には存在しないものが見える症状です。 気配感: 誰もいないのに「すぐ後ろに誰かがいる気がする」「横を誰かが通り過ぎた気がする」と感じる現象です。 これらは脳内の情報のやり取りがスムーズにいかなくなることで起こる、病気特有の症状です。「本人の意識がしっかりしているのに、おかしなことを言う」と驚かれるかもしれませんが、「脳が見せている症状」であることを理解することが第一歩です。 2. 「物忘れ」とは少し
2月14日読了時間: 3分


誤嚥性肺炎を科学する20~お口の中は細菌がいっぱい?誤嚥性肺炎を防ぐ「個別ケア」のすすめ
こんにちは。皆さんは、自分のお口の中にどれくらいの細菌が住んでいるかご存知でしょうか? 今回は、意外と知られていない「口腔内細菌」の実態 と、健康を守るための 「口腔ケアの考え方」についてお話しします。 1. お口の中の細菌数は「糞便」に匹敵する!? 口腔内には数えきれないほど多くの種類の細菌が「常在菌」として生着し、常に増殖を続けています。 驚くべきことに、一説では「歯垢(プラーク)1g中に含まれる細菌数は、糞便1g中とほぼ同じ」 と言われています。手入れが行き届いていないお口の中には、なんと 100億個以上もの細菌が生息している可能性があるのです。 2. なぜ「お口の掃除」が命を守ることにつながるのか お口の中の細菌をコントロールすることは、単に「スッキリする」以上の大きな意味があります。 お口の細菌の一部は、呼吸器官(肺)に侵入することで「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を引き起こす原因になります。 そのため、 口腔内の細菌数を減らすこと(口腔保清)は、誤嚥性肺炎の予防に直結する 非常に理にかなった対策なのです。 3. 細菌が溜まりやすい
2月14日読了時間: 2分


在宅医療を科学する19~高齢者の「幻覚・幻聴」——その原因と知っておきたい5つの背景
在宅介護の中で、ご本人が「そこに誰かいる」「知らない人の声がする」と訴え、驚かれた経験はありませんか?高齢者の幻覚や幻聴は、単なる「物忘れ」や「認知症」の一言で片付けられるものではなく、さまざまな医学的背景が隠れています。 今回は、スライド資料に基づき、高齢者の幻覚・幻聴を引き起こす主な原因について解説します。 高齢者の幻覚・幻聴:なぜ起こるのか? 高齢者の幻覚(実際にはないものが見える)や幻聴(実際にはない音が聞こえる)には、主に5つの原因が考えられます。 1. レビー小体型認知症(DLB) もっとも代表的な原因の一つです。非常に鮮明な「幻視」が特徴で、「知らない子供が部屋の隅に座っている」「虫が這っている」といった具体的な訴えが多く見られます。 2. 老年期うつ病 高齢者のうつ病では、強い不安感とともに「自責的幻聴(自分を責める声)」や「被害妄想」が現れることがあります。単なる心の持ちようではなく、適切な治療が必要な病態です。 3. せん妄(せんもう) 身体の病気や環境の変化、入院などをきっかけに、脳が一時的に混乱状態に陥ることを指します。急
2月13日読了時間: 2分


在宅医療を科学する18~失禁関連皮膚炎(IAD)とは?褥瘡(床ずれ)との見分け方と発生のメカニズム
日々の介護現場で直面することの多いおむつかぶれですが、専門的にはIAD(失禁関連皮膚炎)と呼ばれます。一見、褥瘡(床ずれ)と似ていますが、その原因や対処法は大きく異なります。 今回は、IADが起こる仕組みと、褥瘡との適切な見分け方について図解とともに解説します。 1. IADと褥瘡、どう見分ける? 適切なケアを行うためには、まず目の前の皮膚トラブルがIADなのか褥瘡なのかを正しく鑑別することが重要です。 比較項目 おむつかぶれ(IAD) 褥瘡(床ずれ) 発生部位 排泄物が接触する広範囲 骨が突出している部位に一致 範囲 拡散的(広がりがある) 限局的(部分的) 皮膚の特徴 主に発赤 紫斑や黒色壊死が見られることもある 深さ 真皮まで 皮下組織や筋層に及ぶこともある 2. IADが発生するドミノ倒しのメカニズム IADは、おむつ内の過酷な環境によって皮膚のバリア機能が崩壊することで起こります。そのプロセスは以下の通りです。 浸軟(ふやけ) :おむつ内の高温多湿環境により、皮膚がふやけます。 バリア機能障害 :ふやけた皮膚はバリア機能が低下し、経皮水
2月12日読了時間: 2分


在宅医療を科学する17~失禁関連皮膚炎(IAD)はどうして起こる?発生のメカニズムを詳しく解説
日々のスキンケアにおいて、おむつを使用されている方に避けて通れない課題のひとつが**IAD(失禁関連皮膚炎)**です。今回は、添付の図解「IAD発生メカニズム」に基づき、なぜ皮膚障害が起こるのか、そのプロセスを分かりやすく解説します。 IAD発生の3つの大きな要因 IADは、単一の原因ではなく、複数の要素が重なり合って発生します。 おむつ内の過酷な環境 :おむつを使用することで、皮膚は常に「高温多湿」の状態にさらされます。 化学的刺激 :排泄物(便や尿)に含まれる成分による刺激です。 機械的刺激 :おむつや洗浄時の「摩擦・ずれ」による物理的なダメージです。 皮膚がダメージを受けるステップ 画像では、健康な皮膚が炎症に至るまでのドミノ倒しのようなプロセスが示されています。 浸軟(ふやけ)とバリア機能の低下 :高温多湿環境で皮膚がふやけると、外部刺激から身を守る「皮膚バリア機能」が障害されます。 pHの上昇と細胞の損傷 :バリアが弱まった状態で便や尿の化学的刺激を受けると、皮膚のpHが上昇し、角化細胞が損傷してしまいます。 炎症の連鎖...
2月11日読了時間: 2分


在宅医療を科学する16~なぜ高齢者は「おむつかぶれ」になりやすい?IADのメカニズムと皮膚の特徴
介護の現場で多くの方が悩まれる「おむつ周りの赤みやただれ」。これは単なる肌荒れではなく、IAD(失禁関連皮膚炎)という皮膚障害です。 なぜ高齢になると皮膚トラブルが起きやすくなるのか? そのメカニズムと高齢者特有の皮膚の状態について解説します。 1. 高齢者の皮膚はなぜ「弱くて脆い」のか? 加齢とともに、私たちの皮膚は外からの刺激に非常に弱くなります。主な特徴は以下の通りです。 バリア機能の低下 : 皮脂の欠乏や細胞間の脂質が減ることで、外からの刺激を通しやすくなります。 皮膚の菲薄化(ひはくか) : 皮膚が薄くなり、わずかな摩擦やズレでも傷つきやすくなります。 免疫力の低下 : 細菌やカビなどの感染症に対する抵抗力が落ちています。 感覚の鈍化 : 痛みや不快感に気づきにくく、発見が遅れることがあります。 2. IAD(失禁関連皮膚炎)発症のメカニズム IADは、尿や便が皮膚に長時間接触することで起こりますが、その裏には複数の悪循環が潜んでいます。 ① 皮膚の「ふやけ(浸軟)」 尿や便に含まれる水分によって、皮膚が白くふやけた状態になります。ふや
2月10日読了時間: 2分


在宅医療を科学する14~なかなか治らないおむつかぶれ、実は「IAD(失禁関連皮膚炎)」かもしれません
在宅療養において、ご家族や介護スタッフ様を悩ませるトラブルの一つに「皮膚の赤みやただれ」があります。「いつものおむつかぶれかな?」と市販薬を塗ってもなかなか改善しない場合、それは単なる“かぶれ”ではなく、IAD(失禁関連皮膚炎)という状態かもしれません。 今回は、治療に難渋したある女性のケースを通して、IADの正体とその対策について解説します。 1. 治療に難渋した症例(Case 2) ある女性の患者様は、偽膜性腸炎や尿路感染症を繰り返し、入退院を重ねておられました。ようやく自宅退院となりましたが、その後、皮膚の状態が急激に悪化してしまったのです。 ご家族や訪問スタッフが、抗菌外用剤や抗真菌外用剤、最新のドレッシング材(被覆材)、さらには水分を弾く撥水系外用剤など、あらゆる手段を試しました。しかし、皮膚の状態は一向に改善せず、広範囲にわたる強い赤み(紅斑)や、皮膚が剥けてジュクジュクとした「びらん」が広がってしまいました。 2. IAD(失禁関連皮膚炎)とは何か? この患者様のように、尿や便(あるいはその両方)が長時間皮膚に接触し続けることで生じ
2月9日読了時間: 2分
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