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高齢者の寝たきり原因の治療の弊害~カルシウム製剤の補充

高齢者を寝たきりにする原因として重要なものの一つに骨折があります。具体的には大腿骨頸部骨折(足の付け根の骨が折れる病気)、腰椎などの脊椎の圧迫骨折があります。こうした骨折、とりわけ大腿骨頸部骨折は、保存的治療という選択は難しく、手術する場合が多いのですが、手術→ベッド上安静→廃用萎縮→寝たきりというのは、非常によくある出来事です。こうした骨折を防ぐため活性型ビタミンD製剤の投与は、よく行われる投薬です。

活性型ビタミンD製剤(エディロール、アルファロール、ロカルトロールなど)は高齢者によく処方されますが、高齢者は腎機能が悪い方が多く、容易に高カルシウム血症を起こしてしまうので注意が必要です。高カルシウム血症は、全身倦怠感、食欲低下、便秘など非特異的な症状で発症するため、疑って採血をしない限り分かりません。なので倦怠感や食欲が低下しているなどの症状認める場合は、一度投薬を止めるのを検討すべきです。また、ビタミンD製剤を処方する前に、腎機能を確認しておく必要があります。また、処方した後も、定期的(3~6カ月に1回)な血清カルシウムの測定が必要です。高カルシウム血症の症状は、脱水、意識障害、腎不全 「だ・い・じ」と覚えるのをお勧めします。

#高カルシウム血症 #カルシウム製剤の弊害

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