誤嚥性肺炎を科学する43~フレイル高齢者の場合は、積極的な筋負荷と栄養摂取を行おう
- 15 時間前
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フレイル高齢者の場合は、積極的な筋負荷と栄養摂取を行おう(禁食の場合は、禁食期間を短くできるように食べる支援技術を磨こう)
フレイル高齢者とは、身体機能に明らかな障害はなく日常生活が自立しているものの、体重減少・筋機能低下・疲労感・活動量低下などをいくつか満たす「少し弱ってきた高齢者」のことです。完全に健常ではないこの段階での介入が、誤嚥性肺炎予防に直結します。
🏃 ケース①:誤嚥性肺炎予防のためのリハ栄養プログラム
📋 事例
75歳のHさん(男性)。最近食事中にむせることが気になっています。また、横断歩道では歩行者信号が青のうちに渡りきれなくなってきました。
Hさんのような「むせ+歩行速度の低下」はフレイルの典型サインです。以下の2つのプランで運動と栄養をセットにアプローチします。
プラン 1 | プラン 2 | |
運動 | 全身の体操(毎日)
| ウォーキング(毎日)
|
栄養 | 好みの食物でカロリーアップ
| 糖質よりタンパク質の増量
|
💡
パワーリハとは?(図5-10)
パワーリハは無理のない範囲で続けられる筋力トレーニングです。「下肢筋力増強パワーリハ(手すりスクワット)」や「階段昇降パワーリハ」が代表例。下肢・臀部・背筋を鍛えることで歩行速度・嚥下機能の維持につながります。
誤嚥性肺炎 治療中のケース
🏥 ケース②:誤嚥性肺炎治療中のリハ栄養プログラム
📋 事例
79歳のMさん(女性)。誤嚥性肺炎と診断され、本日お昼過ぎに市民病院(内科)に入院。もともと家事全般をゆっくりですが行うことができる方で、最近痩せてきたことを気にしていました。
プラン 1 | プラン 2 | |
運動 | 病棟内ウォーキング
| 集団体操
|
栄養 | 禁食を避ける
| 禁食の場合は……
|
📊 経口摂取は栄養量確保が容易になる(図5-11)
入院中でも可能な限り経口摂取を続けることが、栄養量の確保に大きく貢献します。
🍽 経口摂取+点滴の組み合わせ例
約500kcal/日
給食を3〜4割摂取した場合
経口摂取
420kcal
アミノ酸含有末梢静脈輸液 2本
点滴補充
約200kcal
脂肪乳剤点滴 1本
点滴補充
💡 実践で押さえたいポイント
🦵
下肢筋力が嚥下機能を守る
脚・腰・体幹の筋肉は嚥下・呼吸の筋機能とも連動しています。「食べる力」を守るために、全身の筋力を落とさないことが誤嚥性肺炎予防の核心です。
🥩
主食を減らしてタンパク質を増やす
フレイル高齢者に多い「食欲はある程度あるが筋肉が落ちている」方には、米飯を2割ほど減らし、その分を肉・魚・卵・牛乳で補う食事設計が効果的です。総カロリーを落とさずタンパク質を増やせます。
🚫
「とりあえず禁食」はリスク
誤嚥性肺炎の治療中でも、末梢静脈栄養法だけでは必要な栄養量を確保できません。可能な限り早期に経口摂取を再開し、食べる支援技術(嚥下リハ・食形態の工夫)を組み合わせることが重要です。
🏨
入院中も「動く」を継続する
病棟内ウォーキングや集団体操など、入院環境でも「横になりっぱなしにしない」工夫が筋量・嚥下機能の維持につながります。看護師・リハスタッフとの連携が実践の鍵です。
📝 まとめ
フレイル高齢者は「むせ」や「歩行速度の低下」を見逃さず、早期にリハ栄養介入を開始する
運動はパワーリハ(スクワット・階段昇降)や有酸素運動を生活に取り入れる
栄養はタンパク質の増量を優先。主食を減らして肉・魚・卵・牛乳で補う
誤嚥性肺炎治療中は禁食を避け経口摂取を継続。不足分は点滴で補完
入院中も離床・歩行・体操を継続し、廃用性筋萎縮を防ぐ
※ 本記事は医療従事者・患者家族向けの情報提供を目的としています。個別のケア方針については担当医・管理栄養士・リハビリスタッフにご相談ください。
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