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誤嚥性肺炎を科学する29~要介助者への口腔ケア

  • 2 時間前
  • 読了時間: 3分

― 清潔だけで終わらせない「機能を守るケア」 ―

 

在宅医療の現場で強く感じるのは、口腔ケアの質が、その人の予後やQOLに直結するということです。

とくに要介助者では、口腔ケアは「セルフケア」ではなくケア提供者が主体となって行う他動的口腔ケアになります。

今日は、そのポイントを整理します。

1. 要介助者の口腔ケアは“他動的ケア”

自立している方の口腔ケアは「指導」が中心ですが、要介助者ではケア提供者が主体となります。

押さえるべき基本は同じです。

✔ 歯と歯の間✔ 歯と歯肉の境目✔ 粘膜✔ 舌✔ 清掃後の回収・排出✔ 最後に保湿

この一連の流れを省略しないことが重要です。

2. 乾燥した口はそのまま磨かない

口腔内乾燥を認める場合、

いきなりブラッシングをすると✔ 粘膜損傷✔ 出血✔ 痛み✔ ケア拒否

につながります。

まずは

・保湿剤・湿らせたガーゼ・スポンジブラシ

で湿潤環境を作ってから清掃を行います。

これは非常に重要なポイントです。

3. 「回収・排出」が最重要

ブラッシングや清掃で浮き上がった細菌は必ず口腔外へ排出させる必要があります。

うがいができない場合は、

✔ 少し湿らせたガーゼで拭き取り✔ 体位を工夫して誤嚥を防ぐ

乾いたガーゼで強く拭くのは禁忌です。粘膜損傷の原因になります。

誤嚥性肺炎予防の観点から、この「回収・排出」は極めて重要です。

4. 清掃+機能的口腔ケア

口腔ケアは「掃除」で終わらせない。

他動的ケアでは機能的口腔ケアを同時に行うことが可能です。

■ 頬のストレッチ

清掃と同時に頬を外側へ軽くストレッチ。表情筋・口輪筋の柔軟性維持につながります。

■ 舌のケア

ガーゼで舌尖を軽く保持し前方へ。舌ストレッチになります。

また、舌を上下左右に軽く押し、反発力を利用すると舌筋トレーニング効果が得られます。

■ 唾液腺マッサージ

・耳下腺・顎下腺・舌下腺

を刺激することで唾液分泌を促進。口腔乾燥予防だけでなく嚥下機能維持にも寄与します。

■ 顔面筋の維持

親指と人差し指で顔面皮膚を軽くつまみストレッチ。筋緊張を緩め、機能維持に役立ちます。

5. 要介助者口腔ケアの3本柱

① 清潔② 回収・排出③ 機能維持

この3つを同時に行うこと。

単なる清掃ではなく、誤嚥予防・栄養維持・会話機能維持のための医療行為と捉えるべきです。

在宅医療における口腔ケアの本質

終末期であっても、口腔が潤い、痛みがなく、言葉を発せられることは、

その人の尊厳そのものです。

口腔ケアは“最も身近で、最も深い医療” だと私は考えています。

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