誤嚥性肺炎を科学する22~義歯不適合の影響
- 1 日前
- 読了時間: 2分
―「噛める」は守れているか?誤嚥性肺炎との意外な関係―

こんにちは。今回は「義歯(入れ歯)」が誤嚥性肺炎リスクにどのように関わるのかを、在宅医療の視点から整理します。
在宅現場でよくある言葉です。
「入れ歯、合ってないけど使ってます」「なくても食べられるから大丈夫」
本当にそうでしょうか?
義歯の本来の役割
義歯は単に“噛むための道具”ではありません。
✔ 食物を粉砕する
✔ 食塊を形成しやすくする
✔ 下顎を安定させ嚥下運動を助ける
✔ 発音を明瞭にする
✔ 顔貌を保つ
つまり、咀嚼と嚥下の連動を支える装置です。
義歯が合わないと何が起こるか?
不適合義歯は、
食物が義歯の内側に溜まる
痛みで咀嚼回数が減る
義歯が浮き上がる
口腔内に傷ができる
結果として、
▶ 食物や唾液とともに細菌を誤嚥するリスク増加
▶ 咀嚼嚥下筋群の使用低下
▶ サルコペニア進行
へとつながります。
「義歯を使わなくても食べられる」は危険信号
歯がなくても食べられる方は確かにいます。しかし重要なのは、
咀嚼筋・嚥下筋が維持されているかどうか。
義歯は筋肉の代わりにはなりませんが、筋肉を使う“きっかけ”にはなります。
義歯を外したまま生活すると、
咬合高径の低下
舌可動域の減少
口腔内容積の変化
舌の扁平化
が起こり、誤嚥リスクが徐々に上昇します。
在宅医療で考えるべきポイント
✔ 義歯が痛くないか
✔ 食事中に浮いていないか
✔ 外したまま長期放置していないか
✔ 義歯清掃は適切か
✔ 咀嚼筋の廃用が進んでいないか
そして、
困ったときは歯科医師へ相談すること。
目指すべきは
よく適合した義歯を、メンテナンスしながら長く使うこと咀嚼嚥下筋群をサルコペニアにしないこと
義歯管理は単なる口腔ケアではありません。誤嚥性肺炎予防戦略の一部です。
まとめ
義歯は「ある・ない」ではなく、“合っているかどうか”が重要。
在宅医療では、
義歯
筋肉
栄養
嚥下機能
を一体で評価していく必要があります。
今日からできることは、義歯を観察すること。
#在宅医療#口腔ケア#義歯#誤嚥性肺炎#嚥下障害#サルコペニア#高齢者医療#訪問診療#科学する在宅医療




コメント