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褥瘡が感染したら?〜消毒薬がNGな理由と正しい治療法〜

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 4月24日
  • 読了時間: 2分

褥瘡(じょくそう)が感染しているかどうかを見極めるには、「感染の4徴候」を確認します。

  • 熱感(熱を持っている)

  • 発赤(赤くなっている)

  • 腫脹(腫れている)

  • 疼痛(痛みがある)

これらのサインが褥瘡周囲にある場合、感染の可能性があります。

消毒薬はNG!その理由とは?

感染していると聞くと、「消毒しなきゃ!」と思いがちですが、実はそれが傷を悪化させる原因になることも。

特に、イソジンシュガーカデックス軟膏ユーパスタなどの消毒薬を褥瘡内部に使ってはいけません

なぜかというと…

組織障害作用 > 殺菌作用

消毒薬は菌を殺す力よりも、生きた細胞を傷める力のほうが強いのです。ステージ2の浅い褥瘡が、ステージ4の深い傷に悪化する原因にもなりかねません。

褥瘡の治癒過程は、まるで創面で細胞を「培養」しているようなもの。培養シャーレに消毒液を注ぐとどうなるか――想像すれば、おのずと答えは明らかです。

感染した褥瘡の治療法:3つの柱

それでは、感染してしまった褥瘡はどう治療すべきなのでしょうか?

治療の基本はこの3つです:

① デブリドマン(壊死組織の除去)

死んだ組織は自然に生き返りません。再生を促すには、まず除去が必要です。

② ドレナージ(排膿)

内部にたまった膿には抗生剤が届きません。まずは「出口」を作って、膿を出すことが大切です。

③ 抗生剤(内服または点滴)

感染に対しては、血流に乗せた抗生剤が有効です。局所に塗るだけでは効果が不十分なのです。

この3本柱は、褥瘡感染に限らずあらゆる感染症に共通する治療の原則でもあります。

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