神経障害性疼痛疼痛を科学する4~「普通の触れ方が痛い」のはなぜ? — 神経障害性疼痛のメカニズムを理解する
- 10 時間前
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「普通の触れ方が痛い」のはなぜ?— 神経障害性疼痛のメカニズムを理解する
衣服が触れるだけで激しい痛みを感じる、何もしていないのに電撃のような痛みが走る——。このような「神経障害性疼痛」は、通常の鎮痛薬が効きにくく、在宅療養の質を大きく損なうことがあります。なぜこのような痛みが起きるのか、そのメカニズムを知ることが、より良いケアへの第一歩です。
侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛の違い
通常の痛み(侵害受容性疼痛)は、組織への傷害刺激が末梢神経→脊髄→脳幹→脳へと伝わって認知されます。一方、神経障害性疼痛は神経系自体が傷ついたり機能異常をきたした状態で生じる痛みです。侵害刺激がなくても痛みが起き、しかも通常の痛み止めが効きにくいことが特徴です。

神経が損傷を受けると、末梢神経・後根神経節細胞にNaチャネルの発現が増加し、侵害刺激がなくても異所性の活動電位が自然発生するようになります。これが自発痛の原因の一つです。

末梢からの異常な入力が続くと、脊髄後角の神経細胞が変化します。これを中枢感作と呼び、慢性化・難治化の重要な背景です。

脳には生理的に「痛みにブレーキをかける仕組み(下降性抑制系)」があります。この調節にはオピオイド受容体、セロトニン作動性受容体、アドレナリン作動性受容体が関与しています。神経障害性疼痛ではこの抑制機能が低下するため、痛みにブレーキがかからなくなります。これがオピオイド(医療用麻薬)が効きにくい理由の一つでもあります。

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「触れると痛い」「衣服が当たるだけで激痛」「じっとしていても焼けるような痛みがある」といった訴えは、神経障害性疼痛のサインです。在宅での問診・フィジカルアセスメントでこれらに気づき、早期に適切な薬剤調整・多職種連携につなげることが、療養者のQOL向上に直結します。

神奈川県逗子市 | 在宅医療・訪問診療




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