攻めの栄養療法を科学する53~「守り」だけでは足りない ― 経管栄養における“攻めの投与”という考え方 ―
- 賢一 内田
- 3 時間前
- 読了時間: 3分

はじめに
代替栄養として経管栄養を選択する場面では、腹部症状や誤嚥性肺炎などの合併症を回避するため、少量から慎重に注入を開始するケースを多く目にします。確かに、注入開始時には合併症予防の観点から、少量投与→段階的なステップアップという「守りの投与」が重要です。
しかし一方で、リハビリテーションを開始し、活動量が増えていく過程においても低栄養状態が続くと、👉 医原性サルコペニア👉 ADL・嚥下機能の回復遅延といった新たな問題を引き起こしかねません。
たとえ**経口摂取再開までの“つなぎ”**であったとしても、十分な栄養投与がその後の回復を左右することは少なくありません。「リスクを回避しながら、どこで“攻める”か」それが、経管栄養を考えるうえで重要な視点です。
代替栄養の基本的な考え方
経口摂取のみで必要な栄養量を確保できない場合、静脈栄養(PN)や経管栄養(EN)による栄養療法が必要となります。
一般に、
必要エネルギー量の60%以下の摂取状態が1週間以上続くと予想される場合には、代替栄養の導入を検討すべきとされています。
日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)では、👉 腸管が使用可能な場合は、経腸栄養(enteral nutrition:EN)を第一選択と明確に推奨しています。
経管栄養法(Tube Feeding)の特徴
● 適応
腸管が機能している限り、経管栄養は基本的に適応となります。
経管栄養の十分な効果が期待できる場合
消化管機能が正常 (嚥下障害、意識障害などで経口摂取が困難な場合)
消化管機能がやや低下しているが、腸管の安静を要する場合 (軽症の消化管外傷、短腸症候群、炎症性腸疾患など)
比較的治療効果が期待できる場合
消化吸収能が低下しており、経口摂取のみでは栄養障害に陥るリスクがある場合 (放射線性腸炎など)
がん化学療法・放射線療法による食欲低下があるが、 下痢などの腹部症状を伴わない場合
● 禁忌
以下のような腸管を安全に使用できない状態では、経管栄養は禁忌となります。
イレウス
ショック状態
腸管虚血
また、
難治性下痢
循環動態が不安定な状態
では、十分な治療効果が期待できません。
「守り」から「攻め」へ ― 在宅・回復期で求められる視点
経管栄養は「とりあえず少量で安全に」という発想に陥りやすい治療です。しかし、活動量が上がるフェーズ・リハビリを本格化するフェーズでは、
エネルギー
たんぱく質
水分量
を再評価し、段階的に“攻めの投与”へ移行する判断が求められます。
「栄養が足りないままリハビリを頑張らせてしまっていないか」この視点は、医師・看護師・リハ職・管理栄養士がチームで共有すべき重要なポイントです。
さくら在宅クリニック(湘南在宅クリニック)の取り組み
さくら在宅クリニック(湘南在宅クリニック)では、在宅医療の現場において、
病態
ADL・活動量
リハビリの進行状況
ご本人・ご家族の意向
を総合的に評価し、「安全性」と「回復可能性」の両立を意識した栄養戦略を重視しています。
経管栄養・胃瘻・在宅での栄養管理についても、「守るべきところは守り、攻めるべきところは攻める」そのバランスを大切にしながら、多職種連携でサポートを行っています。
▶︎ クリニックホームページhttps://www.shounan-zaitaku.com/
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