在宅酸素療法を科学する24~肺線維症・間質性肺炎
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間質性肺炎とは
間質性肺炎は、病理学的に肺胞隔壁など肺の間質を中心に炎症・線維化を認める疾患である。胸部X線や胸部CTなどの画像検査では両側肺にびまん性陰影を認めることが多い。
間質性肺炎の原因は多岐にわたり、塵肺・過敏性肺臓炎などの異物吸入が原因となる場合や、膠原病・サルコイドーシスなどの全身疾患の一病型として発症することもある。また薬剤が原因となる場合もある。
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特発性間質性肺炎(IIPs)の分類
特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias:IIPs)は、間質性肺炎の中で原因が特定できないものの総称である。画像(特に胸部高分解能CT)所見と病理所見から、6つの主要間質性肺炎と2つの稀少間質性肺炎に分類される。
● 特発性間質性肺炎(IIPs)の改訂国際分類


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特発性肺線維症(IPF)
IPFは慢性・進行性に線維化をきたす原因不明の間質性肺炎であり、高齢者に多く、病変は肺に限局する。臨床的には労作時息切れや乾性咳嗽を認め、胸部聴診で肺底部にfine cracklesを認めることが多い。
また病理検査・画像検査では通常型間質性肺炎(usual interstitial pneumonia:UIP)パターンを認める。IPFはIIPsの中で頻度が高く、また難治性であるため正しく診断する必要がある。診断には、他のIIPs(特にINSIP)や、塵肺・過敏性肺臓炎・膠原病肺・サルコイドーシス・薬剤性肺障害などの除外が必要である。


IPFとINSIPの比較
慢性線維化性IIPsであるIPFとINSIPは、時に鑑別困難な場合がある。IPFは高齢喫煙男性に多い傾向があるのに対し、INSIPは中高年の非喫煙女性に多い傾向がある。
胸部高分解能CTでは、IPFでは蜂巣肺が特徴的であり、INSIPでは蜂巣肺は少なく、すりガラス陰影が多い。また病理学的にはIPFは時相の異なる線維化を認めるが、INSIPでは比較的時相のそろった炎症・線維化を認める。鑑別困難な場合は、臨床情報・画像・病理を併せて総合的に判断する。予後は、IPFよりもINSIPのほうが良好である。
● IPFと特発性非特異性間質性肺炎(INSIP)の比較
| IPF | INSIP | |
年齢 | 60〜70歳代 | 60歳代 | |
性別 | 男性に多い | 女性に多い | |
喫煙歴 | 現喫煙、または喫煙歴あり | 喫煙歴なし | |
経過 | 慢性 | 慢性 | |
呼吸機能検査 | 拘束性障害 | 拘束性障害 | |
高分解能CT | ①胸膜直下に分布 ②肺底優位の分布 ③網状影 ④蜂巣肺 | ①胸膜よりわずかに内側に分布 ②下肺優位の分布 ③網状影、すりガラス陰影 ④牽引性(細)気管支拡張 ⑤蜂巣肺は稀 | |
病理組織 | 不均一な線維化 | 均一な炎症・線維化 | |
予後 | 平均生存は診断から2〜3年 | 5年生存率:82.3% 10年生存率:73.2% | |
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間質性肺炎に対する長期酸素療法(LTOT)
間質性肺炎の中でも頻度の高いIPFに対する長期酸素療法(long-term oxygen therapy:LTOT)について述べる。487例のIPFの予後因子を後ろ向きに検討した研究では、酸素療法の有無と生命予後は相関を認めなかった。
一方、慢性閉塞性肺疾患(COPD)においては低酸素血症を認める患者に対するLTOTの予後改善効果は証明されており、この結果を参考にIPF患者に対しても安静時低酸素血症を認める場合は、LTOTが推奨されている。





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