創傷ケア(スキン テア、褥瘡、下肢潰瘍)を科学する25~繰り返す足のただれ…それ、「静脈性下腿潰瘍」かもしれません
- 賢一 内田
- 7月5日
- 読了時間: 2分

ふくらはぎの内側に、じくじくとした傷ができて治りにくい…。それはもしかすると、**静脈のうっ滞が原因で起こる「静脈性下腿潰瘍」**かもしれません。
✅ 静脈性下腿潰瘍とは?
下肢の静脈のうっ滞(血流停滞)によって引き起こされる皮膚潰瘍です。特に下腿(ふくらはぎの下1/3)内側に好発し、浮腫や皮膚の変色、痛み、再発性が特徴です。

📸 下腿の静脈瘤と皮膚の変化
🧩 原因と背景疾患
主な原因
下肢静脈瘤
深部静脈血栓症の既往
心不全や腎機能低下に伴う浮腫
背景として確認すべき既往歴
下肢静脈瘤の手術歴
深部静脈血栓症(DVT)
再発を繰り返していないか
👁 典型的な所見
下肢浮腫:特に夕方以降に目立ちます。
色素沈着(ヘモジデリン沈着):茶褐色または灰色
脂肪皮膚硬化症:皮膚が硬く厚くなる
うっ滞性皮膚炎:鱗屑、紅斑、掻痒感あり
創傷部位:主に内果(内くるぶし)周囲、不整形で滲出液が多い
📸 進行した潰瘍の例
💥 増悪因子
長時間の立位や座位
下肢下垂
活動量の低下や歩行障害
🩹 創傷の特徴と経過
創部は浅く、皮下組織まで及ぶ潰瘍が多い
浮腫が強い時期は滲出液が多く、創部痛も目立つ
再発を繰り返す症例が非常に多く、根本的な原因への対応が重要
📸 広範囲潰瘍例
🏠 在宅でもできる静脈性潰瘍ケア
さくら在宅クリニックでは、静脈性潰瘍に対し下記のような在宅支援を行っています:
訪問による創傷処置・ドレッシング管理
浮腫管理(圧迫療法の適応検討など)
栄養状態・全身管理
ご家族へのケア指導
🎥 YouTubeでも学べます!
当院のYouTubeチャンネルでは、下肢潰瘍や浮腫管理について医師がわかりやすく解説中です。
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