誤嚥性肺炎を科学する61~食器配置=食物認知を高くするための行為である食器・トレーを対象者の正面下方に配置して、食物認知を確保しよう
- 14 時間前
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食器配置と食物認知

食器を正面下方に配置することが、安全で効率的な摂食嚥下運動の第一歩
#食器配置#食物認知#誤嚥予防#摂食嚥下#認知症ケア#食事介助
カテゴリ:看護・介護技術対象:ケア提供者・看護師・介護士関連:p.104〜105
📌 Message
食器配置=食物認知を高くするための行為である
食器・トレーを対象者の正面下方に配置して、食物認知を確保しよう
食事介助を要する方のなかには、自由に食器を並べたり移動させたりすることができない方が多いため、食事介助を提供する側が食器配置に気をつけなければなりません。また、この食器配置は食物認知を高くするための行為ととらえることができ、その結果、安全で効率的な摂食嚥下運動につながり、またその維持が可能になります。もちろん、食欲増進も期待できます。
SECTION 01
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健常者の食器配置を振り返ってみる
私たちが食事をする際、食器は体の真正面でへその高さくらいのところに置いています。そして、食器とその中の調理された食べ物をよく見ていると思います。これにはいくつかの理由が推察できますが、主に視覚で食物をしっかり認知する行為であると考えられます。
食べるために必要な食物認知確保の第一歩は、食器やトレーを体の正面下方に置くことから始まります。トレーごとベッドサイドのテーブルに置いて、スプーンだけ突然目の前に差し出したり、突然唇をつついたりすることがないようにしましょう。健常者がなぜそのような配置にして食事をするのか——あらためて考えてみてください。
SECTION 02
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料理を見せる効果
食器と料理を正面から見ながら食事をすることは食物認知にかかわってきます。食物認知には、次のような多岐にわたる段階があります。
食物認知の6つの段階
①現在食事時間であるということを認知する
②何を食べるか考えるために食物を見分ける
③どのようにして食べるか見分ける
④捕食する行為につなげる
⑤口の中で味覚を通じて味がわかる
⑥口の中で触覚・温覚・痛覚を通じて食物がどのような状況にあるか判断する
食器を正しく配置することで、①〜③の食物認知にアプローチすることが可能です。食事中にペースが乱れる方、口をなかなか開けない方、食事がなかなか進まない方はもちろんですが、食事介助が必要なすべての方が食器・トレーを正面下方に見ることができる配置で食事環境がつくられるべきです。
⚠️ 特に重要:認知機能に問題を抱えている方へ
認知機能に問題を抱えている方へは、食物認知をしっかり保つことができるようにすること、また、食物認知が途切れないようにすることが食事介助において重要です。(「重度認知症患者の食事介助」112〜115ページ参照)
食事時間であることを認知する工夫
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食事時間であることを認知する工夫
食堂など食事の場を整えることも、食物認知を高める有効な手段です。以下のポイントを意識した環境づくりが推奨されます。
食堂で食べる(食事の場という環境情報を活用する)
料理を見分けやすい食器を選ぶ(色・形の工夫)
介助者も座って同じ目線で食事に関わる
注意散漫で食事が中断しやすい方には、カーテンや壁で外からの情報を遮ることが有効な場合もある
📋 まとめ:食器配置と食物認知のポイント
食器配置は食物認知を高めるための意図的な介助行為である
食器・トレーを対象者の正面下方に配置し、視覚での食物認知を確保する
スプーンだけを突然差し出すような介助は避ける
食物認知①〜③(食事時間の認知・食物の見分け・食べ方の判断)へのアプローチが鍵
認知機能に問題がある方ほど、食物認知の維持・継続が特に重要
食堂の利用や食器の選択など、環境整備も食物認知を支える
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