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誤嚥性肺炎を科学する48~とろみ剤・ゲル化剤のあれこれ

  • 3 時間前
  • 読了時間: 3分

 

▶ 水分(飲み物)の形態調整には、とろみ剤やゲル化剤を工夫して使おう

▶ ゲル化剤には加熱不要なタイプもあるため、ベッドサイドなどで活用してみよう

嚥下調整食を必要としている方の多くは、飲み物(水分)にも気を配らなくてはなりません。食べ物の食形態を調整しなくてよい方でも、飲み物には注意が必要な場合があります。本項では、水分にとろみを付けるために用いるとろみ剤(増粘剤)と食べ物にも使うゲル化剤について簡潔に解説します。

とろみ剤(増粘剤)

とろみ剤は液状のものの粘度を上げたり、より硬くしたいときに用います。大きく3つの種類(キサンタンガム系・グァーガム系・デンプン系)に分類でき、それぞれ特徴をもっています。用途に合わせて使い分けましょう。

キサンタンガム系

べたつきが少なく飲みやすい

比較的すぐに安定したとろみがつき、味の変化が少ない。水やお茶など水分摂取目的に向いています。

グァーガム系

少量でしっかりとろみ

多種多様な飲み物に少量でとろみがつくのが特徴。汁物・ピューレ・ミキサー食など調理用途に多く用いられます。

デンプン系

型抜き食品に向いている

すぐにとろみがつき安定しやすいが、他に比べ使用量が多い。ムース食など型抜き食品づくりに向いています。

■ とろみ剤主原料の比較(図6-8 より)

評価項目

1位

2位

3位

べたつきの少なさ

キサンタンガム

デンプン

グァーガム

溶けやすさ

グァーガム

デンプン

キサンタンガム

味の変化の少なさ

キサンタンガム

デンプン

グァーガム

安定までの速さ

キサンタンガム

デンプン

グァーガム

使用できる液体の多様さ

グァーガム

デンプン

キサンタンガム

使用量の少なさ

グァーガム

キサンタンガム

デンプン

■ とろみの程度(表6-1 より)

うすいとろみ

  • ポタージュ状

  • スプーンからすっと流れ落ちる

  • フォークではすくえない

  • ストローで飲める

中間のとろみ

  • ヨーグルト状やはちみつ状

  • スプーンからとろっと流れ落ちる

  • フォークではすくえない

  • 細めのストローでは飲みにくい

濃いとろみ

  • マヨネーズ状やジャム状

  • 飲むというより食べるという表現が適したとろみ

  • フォークで少しすくえる

  • ストローでは吸えない

ゲル化剤

液体や食品をやわらかく固めるためにはゲル化剤と呼ばれる添加剤を加え、適切に調理します。ゼラチンや増粘多糖類(寒天・ペクチン・カラギーナンなど)が主成分で、いくつかの成分を組み合わせたり、酵素を配合するといった工夫によりさまざまな特徴をもつ商品が市販されています。

主に食形態調整のための調理時に加熱して用いられることが多いですが、ベッドサイドや生活の場で使えるものもあります。加熱不要かつ短時間で水分をゼリーやムースのように変化させることができるものを選ぶと便利です。お茶ゼリーや水分補給ゼリーをケア提供者がつくることができます。

飲料を吸って飲むことができない方の水分摂取は、ゼリー状にしたものが適しています。とろみ水に比べ、ゼリー状のものはスプーンですくいやすく、またこぼれにくいため水分摂取量の増加が期待できます。とろみ水が苦手な方に代替品としてゼリー・ムース状にした水分の摂取を促すこともできます。

💡 加熱不要のゲル化剤(市販品例):ミキサーパウダーMJ® ミキサーゲル® あっ!というまゼリー® などが市販されています。

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