誤嚥性肺炎を科学する42~リハビリテーション栄養の考え方を取り入れよう
- 2 日前
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リハビリテーション栄養の考え方を取り入れよう
運動と栄養をペアで考えて行い、筋力・体力の向上を目指そう
誤嚥性肺炎のリスクがある方の栄養管理は、「何を食べるか」だけを考えていては不十分です。身体活動・社会参加・生活環境・個性など多角的に評価し、運動と栄養をセットで支援する「リハビリテーション栄養(リハ栄養)」の考え方がとても大切です。
🌿 リハ栄養とは何か?
「リハビリテーション栄養」という言葉から、リハビリテーション患者だけの話と誤解されることがあります。しかし広い意味では、障害をもつ方・障害リスクがある方すべての栄養管理を含みます。
食べる機能(摂食嚥下)と呼吸する機能はどちらも筋機能に左右されます。筋肉は運動がなければ弱っていきます。そして、栄養は筋肉をつくる最重要因子です。
🏃 運動
+
🥗 栄養
→
💪 筋肉・体力の向上
図5-8:リハ栄養の基本 / 運動と栄養をペアで考えて行い、筋肉・体力の向上を目指す
感染症の発症や感染症との闘病には体力(=栄養状態)の低下も関わっています。体力とは「その人に見合った活動を起こすのに十分な筋力や栄養状態」と考えることができます。筋力や低栄養のケアこそ、リハ栄養が必要とされる理由です。
👥 対象者別のリハ栄養アプローチ
リハ栄養の対象者は①フレイル高齢者、②要介護高齢者、③寝たきり高齢者の3つに大別されます。それぞれに適した介入が異なります。
フレイル
高齢者
介入のポイント
💪 筋負荷🥩 栄養摂取
加齢に伴い筋力が低下するフレイル高齢者には、誤嚥性肺炎予防のために積極的な筋肉への負荷と栄養摂取が重要です。
要介護
高齢者
介入のポイント
🚶 活動量確保🥗 低栄養改善
通所サービスを積極的に活用して活動量を増やしましょう。粗食思考をやめ、腎機能に応じたタンパク質摂取を心がけることが大切です。
寝たきり
高齢者
介入のポイント
🪑 非寝かせきり🍱 工夫した食事
活動量が極めて落ちている誤嚥性肺炎の高リスク者です。呼吸・嚥下にかかわる筋や腰背部・体幹筋への重力負荷が重要。日中は起きて過ごすこと、嗜好に合わせた高タンパク質食の工夫が実践のカギです。
💡 在宅ケアで押さえたいポイント
🏃
「食べること」と「動くこと」は切り離せない
摂食嚥下機能も呼吸機能も、根本は筋力です。栄養だけ・リハビリだけではなく、両輪で支援する視点が誤嚥性肺炎予防に直結します。
🛋️
「寝かせきり」にしない環境づくり
寝たきり高齢者でも、日中は離床し重力がかかる姿勢を確保することで体幹・嚥下筋への刺激が生まれます。ご家族・介護スタッフへの説明が非常に重要です。
🥩
「粗食が体にいい」は高齢者には危険
高齢者の低栄養・筋肉量低下は誤嚥・感染リスクと直結します。腎機能をふまえつつ、タンパク質をしっかり摂ることが在宅栄養管理の基本方針です。
📊
多角的アセスメントが出発点
食べているものだけでなく、身体活動・社会参加・生活環境・個性を総合的に評価することがリハ栄養の出発点です。在宅訪問だからこそ生活の全体像が見えます。
📝 まとめ
リハ栄養は「リハビリ患者専用」ではなく、障害リスクがある方すべてに適用できる考え方
運動+栄養のセット支援が筋力・体力向上の基本(図5-8)
フレイル高齢者→筋負荷+栄養摂取、要介護高齢者→活動量確保+低栄養改善、寝たきり高齢者→非寝かせきり+工夫した食事(図5-9)
粗食思考を改め、タンパク質を中心とした積極的な栄養摂取を推進する
在宅ケアにおいては多角的アセスメントと環境整備が実践の鍵
※ 本記事は医療従事者・患者家族向けの情報提供を目的としています。個別の治療・ケア方針については担当医・管理栄養士にご相談ください。




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