看護師さんによる在宅医療におけるエコーを科学する⑨~観察部位別のエコー撮影手順と画像保存のポイント
- 賢一 内田
- 7月29日
- 読了時間: 2分

臨床の現場で即役立つ、プローブの当て方・評価の目的をまとめて解説!
5. 観察部位ごとのプローブ操作
■ 仙骨部(褥瘡の評価)
使用画像:長軸像/短軸像
観察ポイント:皮下脂肪層と仙骨との位置関係、浮腫の有無
目的:褥瘡の深達度評価や予後予測
操作のコツ:動かさず“止めて観る”こと!
■ 大転子部(褥瘡・軟部組織評価)
使用画像:長軸像/短軸像
観察ポイント:
骨(大転子)との位置関係
筋肉・皮下脂肪層の間の液体貯留や壊死
目的:深部損傷の評価と進行予測
■ 踵部(足部褥瘡)
使用画像:長軸像/短軸像
観察ポイント:
皮膚と脂肪の間に液体貯留がないか
脂肪体の形態変化
目的:褥瘡の早期発見と対応
🟨 コツ:プローブの安定性確保のため、丸めたタオルなどで足を台に!
■ 下肢血管(静脈血栓などの評価)
使用画像:長軸像/短軸像
観察ポイント:
静脈の閉塞像、血栓の有無
カラードプラで血流動態を確認
目的:深部静脈血栓症(DVT)の早期発見、血管狭窄の評価
■ ストーマ周囲
使用画像:4方向からの観察
観察ポイント:
皮下脂肪層の肥厚や腹壁筋の走行
ヘルニアの有無(腹腔内容の逸脱)
目的:膨隆の正体鑑別(脂肪肥厚 or ヘルニア)
■ 末梢静脈(穿刺困難症例の評価)
使用画像:長軸像/短軸像
観察ポイント:
静脈の走行・径・深さ
動静脈の判別(動脈拍動/カラードプラ併用)
目的:穿刺困難時における穿刺位置・深さ・角度の検討
6. 画像の保存方法
● 基本操作(例:Aplio™ 500)
観察位置が定まったら「FRZ(一時停止)」ボタンを押す → 動画から静止画に切り替える
「画像保存」ボタンを押して画像を記録 → エコー本体に保存、またはネットワーク経由でサーバーへ送信
記録媒体:USBやCD-R、HDDにエクスポート可能(施設設定に準拠)
🟩 保存後の画像は、経時的な変化の比較・記録・他職種との情報共有に必須!
まとめ:観察部位と目的の対応一覧
観察部位 | 観察目的 |
仙骨・大転子・踵 | 褥瘡の評価・予後予測 |
下肢血管 | 血栓の有無、血流動態 |
ストーマ周囲 | ヘルニア鑑別 |
末梢静脈 | 静脈穿刺位置の確認 |
その他軟部組織 | 炎症、浮腫、出血の有無 |
エコー観察は、ただ「当てて見る」だけではなく、目的に応じたプローブ操作と画像評価のスキルが問われます。ご紹介した手順を習得すれば、褥瘡や血管評価、穿刺困難例など多くの臨床場面で大きな力になります。




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