攻めの栄養療法を科学する34~各種疾患・合併症における禁忌事項
- 賢一 内田
- 1月4日
- 読了時間: 3分

● 肥満症
―「栄養を足す治療」が根本的に逆効果となる病態 ―
■ 肥満・肥満症の定義
肥満とは、エネルギー摂取とエネルギー消費のアンバランスにより、体内に過剰な脂肪が蓄積した状態を指します。
原因により、
原発性肥満(単純性肥満)
二次性肥満(症候性肥満)
に分類され、BMI 25 kg/m²以上を「肥満」と定義します。
■ 「肥満症」とは
肥満に起因、あるいは関連する
高血圧
糖尿病
脂質異常症
NAFLD
高尿酸血症
睡眠時無呼吸症候群 など
の健康障害を伴い、医学的治療が必要な状態を**「肥満症」**と診断します。
さらに、
BMI 35 kg/m²以上の場合は👉 高度肥満症
と分類されます。
■ 内臓脂肪型肥満の重要性
腹腔内に脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満は、
高血圧
2型糖尿病
脂質異常症
NAFLD
高尿酸血症
睡眠時無呼吸症候群
など、多くの生活習慣病の基盤となります。
👉 肥満症の本質は**「エネルギー不足」ではなく「エネルギー過剰」**です。
■ 肥満症・高度肥満症の栄養療法の基本
肥満症の栄養療法では、「増やす」ではなく「減らす」ことが治療の中心になります。
● 体重減少目標
肥満症:👉 現体重の3%以上
高度肥満症:👉 現体重の5~10%以上
● エネルギー設定
肥満症:👉 25 kcal/kg(標準体重)/day 以下
高度肥満症:👉 20~25 kcal/kg(標準体重)/day 以下
※ 運動療法の併用が必須
■ たんぱく質量の考え方(重要)
● 基本設定
1.0 g/kg(標準体重)/day
エネルギー比:20%以下
● 高齢者・サルコペニア肥満の場合
65歳以上のサルコペニア肥満女性を対象とした研究では、
低たんぱく低カロリー食(0.8 g/kg)👉 筋肉量は減少
高たんぱく低カロリー食(1.2 g/kg)👉 筋肉量は増加
が示されています。
👉 「減量中でも筋肉を守る」視点が極めて重要
■ 攻めの栄養療法が禁忌となる理由
肥満症に対して、
26 kcal/kg(標準体重)/day以上のエネルギー設定
体重増加を前提とした栄養設計
は、
👉 病態そのものを悪化させるため禁忌です。
■ 注意すべきポイント
たんぱく質は👉 腎機能障害がある場合は制限が必要
ただし原則として👉 1.0 g/kg(標準体重)以上
0.8 g/kg(標準体重)/day未満は避ける
👉 「減量=低たんぱく」ではありません。
■ 結論
肥満症における攻めの栄養療法の位置づけ
肥満症は👉 エネルギー制限が治療の本体
攻めの栄養療法は👉 原則適応外
重要なのは👉 筋肉を守りながら脂肪を減らす設計
■ 在宅医療・高齢者医療での視点
「高齢だから痩せさせない方がよい」とは限らない
サルコペニア肥満は見逃されやすい
栄養 × 運動 × 疾患管理の三位一体が不可欠
👉 体重だけでなく「体組成」を見る視点が重要です。
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