在宅医療を科学する4~診断の工夫(在宅診療での評価)
- 賢一 内田
- 3 時間前
- 読了時間: 2分

― 難治性下肢潰瘍・蜂窩織炎をどう見極めるか ―
難治性の下肢蜂窩織炎や皮膚潰瘍では、**「何が治りを妨げているのか」**を見極めることが治療の第一歩です。在宅診療では高度な検査が制限される一方、診察そのものの質が結果を左右します。
今回は、在宅医療の現場で実践している診断の工夫を3つの視点で整理します。
① 動脈系評価:まず「血は届いているか」
最初に確認すべきは、主幹動脈の開存です。
足背動脈
後脛骨動脈
を触診し、明らかな動脈血流障害がないかを評価します。
この時点で血流が乏しい場合、👉 圧迫療法や積極的創傷管理は禁忌となる可能性👉 PAD(末梢動脈疾患)の関与を強く疑う
など、治療方針が大きく変わります。
② 毛細血管循環評価:ミクロの循環を見る
次に、毛細血管レベルの循環を確認します。
爪床部の**CRT(capillary refill time)**を評価
末梢循環が保たれているかを簡便に確認
※可能であれば臥位または患肢挙上位で評価することで、静脈うっ滞の影響を減らした、より正確な判断が可能です。
これは在宅診療において、ABI測定に代わる重要なスクリーニングとなります。
③ 観察:最も重要で、最も差が出る部分
最後は、**繰り返しの「観察」**です。
感染徴候(発赤・熱感・滲出液)
浮腫の程度
皮膚温
疼痛の性状・変化
これらを時系列で追うことが、「感染の再燃なのか」「循環・うっ滞の問題なのか」を見分ける鍵になります。
在宅医療では、👉 1回の診察より👉 継続的な観察の積み重ね
が診断精度を高めます。
■ 在宅診療ならではの強み
在宅では、
同じ姿勢・同じ生活環境での変化を見られる
日常の浮腫増悪や疼痛変化を把握できる
家族・介護者からの情報が診断に直結する
といった利点があります。
「診断機器が少ない=診断できない」ではなく、「診察と観察を研ぎ澄ます」ことが在宅医療の診断力です。
■ まとめ
難治性下肢潰瘍・蜂窩織炎では、
動脈は保たれているか
毛細血管循環はどうか
感染・浮腫・疼痛の経時変化は?
この3点を押さえることで、過不足のない治療戦略につながります。
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