エビデンスに基づく健康情報2~健康になる感情― 誇り・感謝・幸せが、健康行動を支える ―
- 賢一 内田
- 3 日前
- 読了時間: 4分

「健康のために何をすべきか」は多くの人が知っています。それでも続かないのはなぜでしょうか。
今回の講演では、健康を支える感情に焦点を当て、特に「誇り」「感謝」「幸せ」という3つの感情が、健康行動の継続や病気の予防にどのように関わっているのかを解説しました。
感情は、環境や他人よりも、自分で選び・整えられる数少ないものです。日々どの感情を土台にして過ごすかが、健康に大きな影響を与えます。
健康に良い感情は「3つ」ある
今回取り上げたのは、次の3つの感情です。
誇り
感謝
幸せ
単に「ポジティブ」「ネガティブ」と分けるのではなく、それぞれの感情が、どのように健康や行動に影響するかを個別に見ていきます。
誇り:流されない自分をつくる感情
ここでいう「誇り」とは、他人に誇示するプライドではなく、自分自身を認める感覚のことです。
誇りが健康に良い理由
1つ目は、我慢強さが増すこと。自分との約束を守れたとき、「よくやった」と感じること自体が次の行動への内的な動機づけになります。
甘いものの代わりに別の選択ができた
少しでも体を動かせた
こうした小さな行動でも、「誇り」は積み重なります。
2つ目は、自分を大切にする選択ができるようになること。周囲の雰囲気や同調圧力に流されず、「自分にとって必要かどうか」で行動を選べるようになります。
誇りは、健康的な行動をご褒美なしで続ける力になります。
感謝:人を信じ、良い関係をつくる感情
「感謝(appreciate)」とは、相手の行動や存在を価値あるものとして認識することです。
感謝の感情には、次のような働きがあります。
人への信頼感が高まる
専門家の助言を素直に受け取れる
良好な人間関係が築きやすくなる
人を信じられる状態は、正しい健康情報にアクセスし、行動に移すための土台になります。
感謝がもたらす健康への効果
研究では、感謝の感情が次のような影響と関連することが示されています。
人生の満足度が高まる
睡眠の質が良くなる
身体活動量が増えやすくなる
特に、夫婦や家族など身近な関係性において、感謝を言葉にすることは、関係性と健康の両方を支える重要な行動です。
幸せ:病気を「予防する」感情
幸せは、「何かを達成した瞬間」だけに生まれるものではありません。科学的には、目標に近づいていると感じるときに生じる感情とされています。
幸せが健康に与える影響
ストレスを軽減する
人への信頼感が高まる
より健康的な食事を選びやすくなる
著名な研究者は、「幸せは病気を治すことはできないが、予防する力がある」と述べています。
日々の生活の中で「前に進んでいる感覚」を持つことが、健康の基盤になります。
感情は「選び取れるもの」
感情は、環境と同じくらい重要ですが、環境よりも自分でコントロールしやすい要素です。
尊敬する人物の言葉に、こんなものがあります。
「I choose to be happy(幸せになることを選んでいる)」
同じ出来事でも、
イライラするか
学びとして受け取るか
は、自分で選ぶことができます。
日々、誇り・感謝・幸せを意識して過ごすことが、健康行動の土台を整えてくれます。
今日からできる実践ヒント
寝る前に
今日誇りに思えたこと
感謝できたこと
幸せを感じた瞬間を1つずつ振り返る
家族や身近な人に、意識して「ありがとう」を伝える
相手の行動を「良かれと思ってのこと」と考える**API(Assume Positive Intention)**を意識する
次回の講義では、ネガティブな感情との向き合い方と感情をどう選び取るかの実践編を扱う予定です。
さくら在宅クリニックについて
さくら在宅クリニックでは、在宅医療・訪問診療を通じて、病気の治療だけでなく「生活の中で続けられる健康づくり」を大切にしています。身体だけでなく、心や人とのつながりも含めた医療・健康情報を発信しています。


コメント