【症例紹介】排便時の意識消失と下剤の見直し
- 賢一 内田
- 11 分前
- 読了時間: 2分

最近、施設入所中の患者さんにおいて「排便後に意識がもうろうとする」というケースを経験しました。
🔍 排便状況と既存の下剤処方
この方は、毎日少量ずつ排便があるものの、3〜4日に1度大量に出るというパターン。便は硬めで、摘便が必要になることもあり、月に1回程度は排便直後に意識がもうろうとするエピソードがありました。
もともとの処方は以下のとおり:
マグミット錠330mg 2錠 分2(朝・夕食後)
アミティーザ12μg 2C 分2(朝・夕食後)
リンゼス0.25mg 2錠 分1(朝食前)
🧠 意識消失の原因は「排便性失神」か?
排便に伴う意識低下は、**血管迷走神経反射(VVR)**によるものと考えられます。
気張る → 迷走神経反射 → 一過性の血圧低下 → 意識レベルの低下
というメカニズムです。
💊 処方見直しの方針と結果
意識消失を防ぐには、気張らなくてもスムーズに排便できる状態を作ることが重要です。そのため、既存の下剤処方は一旦中止し、以下のように切り替えました:
モビコール配合内用剤6.8523g 4包 分2(朝・夕食後)
その結果、毎日柔らかい便が出るようになり、以降、意識がもうろうとすることはなくなりました。
💬 編集後記:下剤選択は“刺激”から“調整”へ
ここ数年、新しい下剤が多く登場し、選択肢が広がっています。センノシドや浣腸といった刺激性下剤に頼らず、調整型の下剤を中心に考える時代だと感じます。
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