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認知症について家族へ向けて1~「本人の視点」で認知症を知る

  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

「本人の視点」で認知症を知る

今まで、どちらかと言えば医療向けでブログ書いてきましたが、少しご家族からの要望もあり物語風にして

御家族向けに認知症についてできる限り分かり易く解説してまいります。


「困っているのに、自分の口でうまく説明できない」そんな認知症の方ご本人の気持ちに、私たちはどれだけ寄り添えているでしょうか。

認知症に関する情報は、医療従事者や介護者の視点から書かれたものがほとんどです。しかし、「ご本人がどんな世界を生きているのか」を理解しないままでは、ケアに本当の意味でのすれ違いが生まれてしまいます。

今回は、在宅医療の現場で大切にしたい「本人視点のケア」について考えてみます。

「認知症」とは、なにか? まず知っておきたいこと

定義

認知症とは、「認知機能が働きにくくなったために、生活上の問題が生じ、暮らしづらくなっている状態」のことです。

「認知機能」とは、目・耳・鼻・舌・肌などの感覚器官で対象をとらえ、それが何であるかを解釈したり、思考・判断したり、計算や言語化したり、記憶に留めたりする働きのことです。

たとえば、外出先のトイレを探すだけでも、私たちは「視覚で知覚→記憶の想起と解釈→判断と実行」という3ステップを無意識に踏んでいます。認知機能が低下すると、この一連の流れがうまくいかなくなるのです。

「お風呂を嫌がる」のは、なぜ? 行動の「理由」を知ることの大切さ

在宅ケアの現場でよく聞かれる「入浴拒否」。これを「介護への抵抗」と捉えてしまうと、根本的な解決にはつながりません。

実は、その背景にはさまざまな認知機能のトラブルが隠れていることがあります。

  1. 温度感覚のトラブルで、お湯が極度に熱く感じる

  2. 皮膚感覚のトラブルで、お湯をぬるっと不快に感じる

  3. 空間認識や身体機能のトラブルで、服の着脱が困難

  4. 時間認識や記憶のトラブルで、入浴したばかりだと思っている

単純に、家族に手間をかけさせたくないと思っているケースもあるでしょう。

背景にある理由がわかれば、対応の仕方は変わります。「できること」も「できないこと」も、人それぞれ。認知症を「ひとくくり」にしないことが、とても大切なのです。

💡 たとえば食パンを何度も買ってくる行動ひとつとっても、「いつ買ったか忘れた」のか「戸棚の扉を閉めたことで見えなくなり記憶が消えた」のかで、原因はまったく異なります。

「本人視点」が、ご本人も介護者も楽にする

実際の現場からは、こんな声が届いています。

ご本人の声

「自分の口でうまく説明できないし、相手にすぐ理解してもらえなかったけど、これを読んでもらうと『ああ、こんなことが起きてるんだ』ってわかってくれる人が多くて嬉しかった。」

ご家族の声

「わたしたち家族が、彼女に見えている世界を理解し、寄り添い、彼女と心地よく過ごすためのヒントを探していたときに、とてもわかりやすく世界の見え方を教えてもらえました。」

在宅医療だからこそ、「生活」ごと見える

病院では見えにくい「生活の場での困りごと」こそ、在宅医療の強みです。さくら在宅クリニックでは、認知症のある方ご本人の視点を大切に、ご本人・ご家族・多職種チームとともに「その人らしい生活」をつくることを目指しています。

認知症は、今のところ医学的に治す方法はありません。しかし、「どうやって認知症とともに生きるか」――付き合い方や周りの環境は変えることができます。

ちょっとした工夫が、その人の尊厳を守り、認知機能の低下を防ぐことにもつながります。「病」を診て「症状」に対処するのではなく、「人」を見て「生活」をともにつくり直す。そんなアプローチを、私たちは大切にしています。

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