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褥瘡を科学する27~浸出液コントロールの基本:なぜ、どんな液が出ているのかを知る

  • 執筆者の写真: 賢一 内田
    賢一 内田
  • 3 日前
  • 読了時間: 2分

褥瘡や創傷のケアにおいて、「浸出液(しんしゅつえき)」の量や性状を的確に評価することは、治癒に向けた第一歩です。浸出液は、傷の状態を映し出す「鏡」のようなもの。適切にコントロールすることで、感染を防ぎ、治癒を早めることができます。

浸出液の量によって変わるケア戦略

■ 浸出液が多い場合

  • まず壊死組織の除去を行います(デブリードマン)。

  • その上で、吸水性が高く、吸収した液を創面に戻さないドレッシング材(吸収性パッドやフォーム材など)を選択します。

■ 浸出液が少ない場合

  • 壊死組織が乾燥して硬くなりがちなため、水分を供給して軟化を促すドレッシング材(ハイドロゲルなど)を選びます。

  • 目的は、**自己融解(オートリチックデブリードマン)**を促進することです。

外用薬の選択も「創面環境の調整」が基本

創傷治療で使用する外用薬は、単に“消毒”や“殺菌”のためではなく、創面の環境を整えるという考え方に基づいて選ぶことが重要です。「湿潤療法」や「創傷治癒の5原則」に基づいたアプローチが、現代の標準的な治療方針です。

在宅医療における褥瘡ケアは、限られた環境でも質の高い判断とケアが求められます。地域で支える在宅医療の現場では、こうした知識と実践力が不可欠です。

📍 さくら在宅クリニック(逗子・葉山・鎌倉・横須賀)公式サイト🎥 内田賢一の在宅医療チャンネル(YouTube):在宅医療のリアルを発信中!


 
 
 

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